転職をしたい、そう考えたとき、あなたはどうするでしょうか。
自分でググって求人を見る?
ハローワークへ行く?
求人情報誌を見る?
時間的に余裕があるならそれも良いでしょう。
特にハローワークには意外と良い求人情報があるので、時間さえ許せば積極的に足を運んでほしいと思います。特に、転職エージェントを利用できない人(年齢が高すぎる場合には転職エージェントに協力を断られる場合もあります)は積極的にハローワークを使ってほしいと思います。(大企業の求人はないので、弁理士資格保有者にはお勧めできませんが・・・)
しかし、自分で調べるというアナログな方法には限度があります。
「絶対にここに行きたい!」と決まった企業や事務所が無い場合、手当たり次第に調べることになるので、失う時間もかなり大きいものとなります。
旅行の予定を立てるときに、「関西地域」というように、広い範囲で「格安で旅行に行ける方法」を調べたことのある人なら、インターネットで検索することの面倒さを容易に想像できるでしょう。
これと同じように、日本中に存在する企業及び部門、それから特許事務所等を自分の希望に合うかどうか一人で調べることはできますか?
企業・事務所によっては、サイトを持っていてもあなたが検索したワードでひっかかってこないことも数多くあります。そして、そのようなところこそ、実はあなたが望むべきホワイト企業・事務所である可能性があります。
では、どうしたら自分の希望に合致する転職先を効率よく見つけることができるのでしょうか。
一つには転職サイトに登録するという方法があります。
これは時間に余裕(半年以上)がある人にしか無理ですが、「いずれ転職したい」「どんな仕事があるのか興味がある」という「今すぐにではないけどそのうち転職してみたい」という人におすすめの方法です。
しかし、「もうこんな仕事続けていられない!」「今すぐに転職してしまいたい」という人もいるでしょう。
でも、焦ってテキトーなところで手を売ってしまうと後悔することになってしまいますから逃げたい一心で転職するという暴挙に出ることはやめてください。
転職先が今より地獄だという可能性はありますよ!
では、どうしたら良いか。
それには、他者の力を借りるのが最も効果的です。
こんなことを言っては身も蓋もないでしょうが、最強の就職・転職方法は「コネ」です。
親が大企業の偉い人だったり政治家だったりすると、本人の能力に関わりなく雇ってもらえます。
私の知人には何十社にも断られた挙句、コネを利用して就職を決めた人がいます。子供を雇ってもらったということで、お父さんとその会社は仲良くなっていました。雇った側としては経営戦略だったのでしょうね・・・。
ただ、「コネ」を使えるのは一部の例外的な人だけなので、普通の人には使えません。
そこで、コネ以外で他者の力を借ります。
具体的には、転職エージェントの力を借ります。
転職エージェントは、あなたの代わりに100社以上もの転職先情報を集め、キャリア相談に乗ってくれ、さらに履歴書の添削をし、面接のセッティングや給与交渉などを行ってくれる人のことを言います。
スケジュール調整もしてくれるのであなたは体力や気力を無駄に消費しません。
これにより、本来はあなたがするはずだった転職時の手間を大幅に減らし、転職に伴うストレスを減らすことができます。
偉そうに説明していますが、恥ずかしながら、私は長い間転職エージェントのことを知りませんでした。そのため、転職相談を受けてもあまり役立つ助言をしてあげることが出来ず、歯がゆい思いをしていました。
しかし、今は違います。
数年間に及び相談を受けてきたノウハウと共に転職エージェントを使いこなす「転職成功の秘訣」を教えてあげることができます。
基本的に転職時には情報が多いほうが有利です。
そして、転職エージェントを利用すると、より多くの情報が得られることから、自分一人で転職活動をしていたときに比べ、好条件で転職することができます。
あなたに代わって企業の内部を調べてくれるので自分だけで公開情報だけから調べるよりも詳しい情報が手にはいります。特に、ホームページや理念がキレイすぎる企業・特許事務所は中身が汚いことを隠すためにきれいな上着を着てごまかしている可能性があるので、それを見破るのは求職者一人の力では無理です。
また、非公開求人情報は自分の力だけでは得られないので、転職エージェントの力添えが必要になります。
特に、企業の知財部の求人は、企業の知財部門のポストに空きが出た場合に、求人内容を外部にオープンにせずに、募集をかけるものとなっています。つまり、転職エージェントを通じて募集をかけるというもので、転職したいときにうまくポストが開いているかどうかはわかりません。
また、企業や特許事務所はどうしても欲しい人材には破格の報酬を払います。社員(所員)の平均年収が700万円だったとしても、求めるスキルを持つ人にはその倍の年収を出してでも入ってもらいたいということがあります。
しかし、既存社員の手前、破格の年収を公にすることはできません。したがって、「非公開」でこっそりと求人を行うのです。
会社の平均年収について、統計を見たりネットで調べたりして「この会社だったらこれくらいだろう」と推測するかもしれませんが、平均値というのは過去の実績です。大きな事業変革や新規事業の創出に取り組む企業では、過去と同じような採用の仕方はしないのです。既存社員にはない知見や才能を持つ人を招きいれるために、多額の報酬を(こっそりと)提示するのです。
さらに、聞きにくい待遇等についても転職前にエージェントに聞いてもらうことができるので転職のミスマッチを減らすことができます。
企業や事務所ごとに最も重視する点が違うことから、企業・事務所ごとに重要ポイントを変えた履歴書の作成が必要になりますが、これも労力をかけずに作成してもらうことができます。
通常、転職時には、最低でも3社ほどの求人(企業や特許事務所など)の面接を受けるのが基本です。このとき、すべてから内定が出された場合、残りの会社には断りの電話を入れなければいけません。転職エージェントを利用していれば、このときの断りの電話すらもすべて転職エージェントが行ってくれます。
(知財業界は狭い世界ですので、内定をもらったにもかかわらず行かない場合は一言断りの電話くらいはいれるべきです。あとでどこかで顔を合わせることになりますから・・・)
地方へUターン転職をする場合、面接を受けるための交通費を企業に出してもらうように交渉してくれる転職エージェントもいます。
転職エージェントを利用するメリットは他にもあります。それは、「客観的に自分の強みを引き出してもらえる」という点です。
主観的に自分のことを見ているだけでは自分の本当の強みに気づけません。自分はTOEIC800点を持っているので転職時に有利だと思っていたとしても、受け入れ先企業はあなたの営業としての経験やコミュニケーション能力の方を重視するかもしれません。これは、受け入れ先企業の知財部では、発明者へのヒアリングを適切に行える人材を求めている場合です。
主観的に自分を見ているだけでは、自分の本当の強みに気づけません。
そこで、様々な人を見ている転職エージェントに客観的にあなたのスキルを評価してもらうのです。
あなた自身は大したことがないと思っていたとしても、他人の目から見れば素晴らしい技術であることは多いです。このことに気づかせるのも転職エージェントの役割になります。
このように転職エージェントを利用することにはメリットだらけですが、 気になるのが利用料金です。
希望の会社や事務所に好条件で転職を成功させてくれる転職エージェントにあなたはいくらなら払いますか?
10万円?20万円?
・・・実は、転職エージェントには一円も払う必要はありません。
無料なのです!
なぜ転職エージェントを無料で利用することができるのでしょうか。
それは、「転職エージェントは、あなたの転職を成功させたときに、転職先からあなたの年収の2〜3割の額を報酬として受け取ることができる」からなのです。
もしあなたの年収が600万円なら、120〜180万円もの報酬を転職エージェントは手にすることができるのです。
したがって、あなたは転職エージェントに負い目を感じる必要はなく、堂々と利用すればいいのです。
といっても、転職エージェントに威張っていいとか偉そうに振る舞って良いというわけではありません。
そのような社会人のマナーを守れないような人にはたとえお金をもらえても転職エージェントは協力したくないでしょう。
良い転職先を他の人に回してしまうかもしれません。
ですから、無料で利用できるとはいっても、転職エージェントに対しては横柄に振る舞うべきではありません。
なお、転職エージェントを利用するデメリットもないわけではありません。
それは、”あなたと相性の悪い”転職エージェントに当たってしまった場合精神的に嫌な思いをする、ということです。
転職エージェントはあなたを転職させることにより報酬を得られるのですが、あなただけにサービスを提供しているわけではないので、他の人を優先してしまったりあなたとの相性が悪いということは起こりうるのです。
エージェントによっては、あなたの希望を丁寧に聞かずにテキトーに特許事務所への転職を勧めたりする人がいるかもしれません。
そんなエージェントが担当になってしまった場合にはその人を頼るようなことはやめましょう。自分の人生のほうが大事ですからね。
したがって、「転職エージェントを利用しつつも相性が悪いと感じたらそのエージェントには見切りをつけて他の転職エージェントを頼る。」といったように臨機応変に転職活動を行うことが有効になります。
この場合には転職エージェントはくたびれ儲けになるので申し訳ない気がしますが、まあ、それは仕方がありません。彼らもビジネスですからそんなことがあるというのは重々承知しています。
このように、転職エージェントは転職時に大いに役立ってくれるのですが、転職エージェントに頼りすぎるのも問題です。
早く転職先を決めてしまいたいためにあなたの希望しない求人を押し付けてくるエージェントも存在しますから。
このようなエージェントを切るためにも、転職エージェントには3社以上登録しておいたほうが良いでしょう。
特に、転職したい企業の求人が出ているか、自分が登録している転職エージェントがその求人案件を扱っているか、については登録しなければわからないので複数登録しておいたほうが有利です。
といってもあまりにもたくさん登録しすぎてしまうと消化不良になってしまうのでまずは2,3程度で良いでしょう。
お勧めの転職エージェントについてはリンク先で説明していますので、自分に合った転職エージェントに登録してください。
転職エージェントには、しっかりと自分の希望( 給与、未経験OKか、教育制度が充実しているか、家からの距離、子育てへの理解、在宅ありか等等・・・)を伝えましょう。そして、転職先企業や事務所の経営者の考え方、残業の有無、職場の雰囲気などを聞き出しましょう。
細かいことが分からない限り、転職エージェント側があなたに対してピッタリの求人を紹介することはできません。また、希望条件に関する細かいメールを何十分もかけて書く暇があるなら、電話した方がずっと早いし効率的です。
メールだけでもかなりのことが伝わりますが、やはり直接会ったり電話で話さなくては伝えられない・伝わらないことも多くあります。
転職とは関係ありませんが、昔、私が「知財の知識」を開設した当初はブログもしていませんでした。そのため、メールをくれた弁理士さん弁護士さんやゼミ生と実際に会ってみると、想像と違いましたと何度か言われたことがあります。
特に、弁理士さんや弁護士さんに無料でお仕事を紹介していたので「金目当てではないか」と訝しがられていたこともありましたが、直接会うことによって、「ただのアホ好奇心旺盛な人だ」とすぐにわかってもらえました。
今は写真も掲載していますし、youtubeでも姿を現しているのでそれほど違和感はないでしょうが、やはり、メールだけのやりとりと実際に会うのとではかなりの差があります。
忙しい人ほど転職エージェントと実際にあったりスキマ時間に電話をしましょう。
平日の昼間は仕事をしているので電話をかけてほしくないのなら、そう伝えて、休日や平日の夜に電話をかけてもらうようにすればよいのです。
または、急ぎの案件ならメールをしてもらって、時間を見つけて折り返しこちらから電話をかける方が良いでしょう。
倍率の高い求人は数時間のうちにポストが埋まってしまう可能性があるからです。
仕事が終わった後、深夜に電話をしても良いでしょう。
転職エージェントは仕事柄夜型の人が多いため、夜10時の電話にも平気で対応してくれます。人によっては12時過ぎても大丈夫でしょう(事前に何時まで電話してよいか聞いておいたほうが親切です)。
敏腕コンサルタントに担当してもらった場合、自分だけで転職活動を行うよりも、待遇も年収も大いにアップします。
年収700万円になるのか、年収800万円になるのかは担当の転職エージェントの交渉力によるのです。
あなたの気づかないあなたの能力を交渉材料にして高年俸を引き出すのが転職エージェントの役割ですが、転職エージェントの交渉力が弱い場合は自分だけで転職活動した場合とあまり代わり映えしません。
そのため、いくつかの転職エージェントを活用することで、良い求人を引き出してくれる転職エージェントに協力してもらうと良いでしょう。
例えば、求人をメールでどんどん紹介してくるエージェントもいれば電話のやり取りだけで終わる転職エージェントもいます。面談を行うことで転職先の面接同行まで行う転職エージェントもいます。
中には「希望する年収」「労働条件」などを細かくヒアリングして、知財部や特許事務所へ求人があるかどうか一つずつ電話して確認し、どこにも載っていない案件を探し出してくれる転職エージェントもいます。
表面からだけでは転職エージェントの違いは分かりにくいのですが、実際に活用してみると、その違いや相性が分かるようになります。
一般的には、大手転職エージェントになるほど面談は行わず、電話でのやり取りになります。大手の転職エージェントは「情報」と「システム」に強みがあるため、たくさんの求人案件をスムーズに提示してくれます。
一方、中小転職エージェントになると面談を行う会社が多くなり、希望の案件を見つけ出すことができます。どの求人票にも載っていない「良い求人案件」を独自に引き出せるようになります。
もちろん、必ずしも全部がこれに当てはまるとは限りません。中小転職エージェントであっても、面談に力を入れていない会社は存在します。
あなたの希望(たくさんの求人の中から選びたいのかピッタリの案件を見つけてきてほしいのか等)によって転職エージェントを使い分けましょう。
なお、場合によっては転職エージェントが「面接を受けて内定が出たら、必ず入社しなければいけない」というように、あなたの意見を無視して転職を迫るケースがあります。
この場合、その転職エージェントは自分のことしか考えていないと言えるので、そんな人とは縁を切り、他の転職エージェントを活用して転職活動を進めるようにしましょう。
どんな会社にも、自らの営業成績だけを考えていたりする人はいるものです。
良いエージェントに当たればいいのですが、上記の通り必ずしもそうではないケースがあるため、こうしたリスクを回避するために複数エージェントへ登録し、その中からあなたに最も合う転職支援をしてくれる転職エージェントだけを活用するといいでしょう。
転職時に1社だけを登録するのでは、質の高い転職エージェントに出会う確率は低いといえます。
したがって、3社くらいは登録しておいて、 嫌な転職エージェントに当たってしまった場合には他のエージェントを活用するようにしましょう。
5社以上登録している人もいます。
まずは、2,3社に登録し様子を見て増やすという程度で良いのではないでしょうか。
何度もやり取りする会社は次第に減っていきますから。
(なお、年齢が高い人の場合は転職エージェントに協力を断られる可能性があることから最初から3つ以上登録しておいたほうが良いでしょう)
なお、同じ案件に複数の転職エージェントから申し込まないように注意しましょう。それではあまりにも他人任せですから、誰にどこへ応募してもらうかくらいは自分で把握すべきです。
社会人として適度なマナーを守って転職エージェントに接しましょう。
度を過ぎて頼ったり、遠慮して、気の向かない転職を押し付けられないように自分の意志を持ちましょう。
それさえ気をつければ転職エージェントはあなたの転職を有利に導いてくれます。
転職エージェントはあくまでもあなたをサポートする存在であり、全ての決定権はあなたにあります。
転職の主役はあなたです。