志望動機は履歴書にも書きますし、面接時にも聞かれます。
したがって、非常に重要といえます。
しかし、重要であるにも関わらず、適切なメッセージとして伝えられないために内定を勝ち取れない人がいます。
そこで、転職を成功に導くための志望動機の話し方についてご説明しようと思います。
なお、なかなか内定を貰えないという人は、この「志望動機」を上手く伝えることが出来ていない場合が多いようです。
あなたという人間は、採用する側が「欲しい」と思えるような人材であるということを志望動機でしっかりと伝えないといけません。
マニュアル通りに「御社の仕事内容に興味を持ちました」だとか、考えもなく「憧れの業界です」と言ったり「たくさん勉強ができそうだからです」だとか「やる気は誰にも負けません」
なんて言ったら、余程能力の高い人でないと落ちます。
なぜでしょうか。
こういうことを言う人たちは、採用側の気持ちを理解していないからです。
逆に言うと、採用側の立場に立ってみれば、容易に言ってはいけないことと言うべきことがわかります。
では、内定を勝ち取るために効果的な志望動機の伝え方について見ていきましょう。
転職に成功する志望動機の話し方
1.自分視点で語ると失敗する
あなたを採用するのはあくまでも企業や事務所です。
あなた自身ではありません。
したがって、あなたが魅力的だと思う動機を話しても相手の心を動かせません。
あくまでも、採用側の立場に立って志望動機を考えましょう。
ここで、採用側の気持ちになるとはどういうことかというと、
「あなたを採用するとどのようなメリットがあるのか」ということをきちんと伝えるということです。
いくら「御社に魅力を感じました」と言われても、「弊社はあなたに魅力を感じません」と言われれば終了です。
「実家から徒歩圏内で非常に魅力的です」なんてことは真っ先に言う必要はありません。
2.企業研究は当然行う
当たり前ですが、志望動機云々の前に、きちんと企業研究をしましょう。
企業研究といっても、そんなに難しいことではありません。
転職希望会社のホームページを見て経営理念を読んだりどんな商品やサービスに注力しているのかといったことを調べます。
部署によってはどんな特許を持っているのかということを調べても面白いでしょう。
そして、企業研究を行って上で、「あなたが好きです」という気持ちをぶつけるのです。
そう、志望理由は企業へのラブレターです。
見知らぬ美女・美男へのラブレターではありません。
名前も意志も持っている生身の人間へのラブレターです。
ラブレターに「あなたは美しいから(性格はよくわからないけど)恋人にしようと思う」なんて書く人はいません。
ラブレターなら具体的エピソードを書けるはずです。
どんなところに惹かれたのか。
どうして一緒にいたいと思ったのか。
そうした熱い思い、情熱をラブレターに認(したた)めるのです。
これにより、受け取った方としても
「わたしのことをこれだけ思ってくれている・・・!」と感激してくれるのです。
採用側の求めるスキルがあなたには足りなくても、情熱でカバーできると判断すれば採用される可能性は大いにあります。
特に、
「あなただけしか見えない」とアピールするのは効果的です。
「君しかいない」というアピールは相手の心を揺り動かします。
たとえ、心の中では「他にもいるんでしょ」と思っていても、真っ直ぐな目でそんな風に言われると悪い気持ちはしません。
これにより、たとえスキルの足りない人でも、ハイスペックな人材と同じ台に上がることができます。
ここからが勝負です(まだ決定じゃありません。頑張りましょう!)。
なお、転職先が特許事務所の場合企業研究(事務所研究)にはJ-platpatが役立ちます。
どんな明細書を書く弁理士がいるのか、どんなクライアントがいて比率はどれくらいなのかがわかります。
3.嫌われない志望動機
志望動機には様々なものがあると思います。
たとえば、給与が高い、労働環境が良いといったものから、会社のブランド力が高い、成長分野だ、女性が多いといったものまで実に様々です。
正直に志望動機を言ってしまいたいと思うところですが、志望動機によってはあまり良い印象を与えないので、志望動機にするならば以下のどちらかに絞りましょう。
①経営理念に共感した
会社のホームページを見れば経営理念は載っています。綺麗事だけを書いているところもありますが、非常に共感できる経営理念を掲げている会社もあります。
多くの会社のホームページが借り物の言葉で飾られているだけに、経営者の本音が現れている経営理念を読むと、本当にその会社のファンになってしまうでしょう。
ファンになったら、経営者の出している本を読んでみるのも面白いでしょう。
②商品やサービスに魅力を感じた。
ものづくりをしたい人は、その会社で製造されている商品に魅力を感じるかもしれません。
実際に形のある商品ではなく、サービスだけを展開している会社もあります。
そのようなサービスも人々の生活を豊かにするものならば、自分もそのサービスを広める手伝いをしたいという気持ちになっても不思議はないでしょう。
実際にその商品やサービスを利用してみるのも良いでしょう。
4.絶対に伝えなければいけないこと
さて、以下に自分の情熱を語るかと言ってきましたが、これは、あくまでも「前提」です。
本番はこれからです。
すなわち、
「自分を雇うことによって企業や事務所にどれだけメリットを与えられるか」
ということを伝えるのが一番大事なことです。
有名アイドルに「毎日君のことを考えている。朝も夜も君を思わない時はない。愛している」とラブレターを送っても、そのアイドルにあなたと付き合うメリットがなければそのラブレターは捨てられるだけです。
では、どうすればアイドルと付き合えるか。
それは、記述したように「自分と付き合うメリットを伝える」ことにより達成できます。
「私を雇うと御社にこれだけの利益をもたらすことができます」
「私はこれだけのスキルを持っています。このスキルは御社の◯◯部に絶対に必要なものです」
「わたしのような人材は他にいません」
ということを具体的エピソードを交えて伝えるのです。
すると、採用担当者もあなたと他の採用希望者とを比べ始めます。
そして、情熱と企業へのメリットを兼ね揃えたあなたが見事内定を勝ち取ることができるでしょう。
志望動機は情熱的に語るだけでは50点です。
自分を採用することによるメリットも語ることにより100点に近づきます。
採用担当者も馬鹿ではないのですから、あなたの「情熱的な志望動機」が脚色されたものであることなんて見抜けます。
しかし、会社への愛をきちんと口に出して伝えることができなくては、採用の台に挙げてもらうこともできないのです。
採用の台にあがったら、そこで「あなたを雇うメリット」を伝えます。
そのメリットが大きければ大きいほど、会社はあなたをほしくなるというわけです。
もし「会社が自分を雇うメリット」が思いつかないようなら我々にご相談下さい。
いろいろな人たちの相談に乗ってきましたので役に立つアドバイスが出来ます。
特に企業知財部や特許事務所への転職に関する助言が得意です。