転職活動を行うときには、履歴書を書くことになります。知財部志望者や特許事務所勤務希望者が履歴書を書くときはどのような点に注意すべきでしょうか。志望動機や自己PRを含め、履歴書の書き方にはポイントがあります。

どのようにして履歴書を書けばいいのかについて、ご説明いたします。
当たり前のことも書いてあるのですが、この当たり前のことを出来ていない人もいるので念のため記載しております(^^;

 

1.最低限の常識から外れない

履歴書を書くときには一定のルールがあります。たとえば、スピード写真を貼らない、二重線で訂正をしないで失敗したら書き直すといったことです。
「内容さえしっかりしていればそんなことどうでもいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、「そんなことで」落とされてしまうこともあるのです。
常識は守りましょう。

それから、履歴書は手書きで書く場合は丁寧な字の方が心証(見る人に与える印象)は良いです。最近は手書きが少なくなってきたので字が苦手な人にはありがたいですね。

なお、手書きで書く場合は修正液は使ってはいけないということに注意しなければいけません。

 

・・・が、裏技として、フリクションボールペンを使うという方法もあります。

 

例の「摩擦熱で消えるボールペン」です。

特許権侵害訴訟も起きていましたね。

(わからなかったら私のブログで解説しているのでお暇な時にでも見てください。)

 

もし履歴書でそんなペンを使って書いていることがバレて指摘されたら、フリクションボールペンの特許権侵害訴訟の話にすり替えて知財オタクぶりをアピールするのも手ですよ!?

弁理士会でもイベントのときにフリクションボールペンを配っていましたし。

(自己責任でお願いします。特許権侵害訴訟の話をしたいのでない限り、普通のボールペンを使ったほうが無難です)

 

なお、履歴書の添削が必要な場合にはお問い合わせください。

過去にどんな転職エージェントに頼んでも転職出来なかった人の職務経歴書を我々が修正したところ、すぐに採用されました!!
2.職務経歴書を書く

転職するということは中途採用してもらうということですので、職務経歴書を書く必要があります。このとき、ただ漫然と書くのではいけません。「自分のスキル・経験」と「転職先の求める人材像」とをマッチさせるように書くのです。

企業知財部と特許事務所とでは、求める人材が違います。
この点を理解して志望動機や自己PRを書けるとかなり効果的です。

 

なお、職務経歴書には今まで入社(入所)した会社(特許事務所)、退社した会社(事務所)の全てについて書きます。会社の場合は部署まで書きます。

ただ、具体的な仕事内容については書かなくて良いでしょう。
だって、技術的な仕事の場合、専門用語のオンパレードになってしまいます。
そんな職務経歴書、人事の人が理解できません。
ですから、企業に応募するときは職務経歴書でアピールするなら、専門用語は書かない方が良い場合が多いです。
ただし、特許事務所はこの限りではありません。
3.免許・資格欄

知財部や特許事務所勤務を希望する場合、保有資格として「弁理士資格」や「知財管理技能検定○級」「TOEIC○○点」といったことを記載することが多いと思われます。

この中でも「知財管理技能検定」についてはあまり重視するところはありませんが、「弁理士試験は難しすぎる。でも、知財について少しは知っておきたい」という人は知財管理技能検定を受けておくのも良いでしょう。
2級まではすぐに受かります。

1級は難しいですし、受験費用が高すぎるので、1級を受けるくらいなら弁理士試験に挑戦したほうが良いです。

 

弁理士資格は持っていないけど一次試験(短答試験)に受かったという人はそのことを書いても良いでしょう。論文試験に受かった場合は10月に転職するよりも、最終合格発表を待って、その後に転職したほうが良いでしょう。年俸が高く設定される可能性があります。

 

英語力は高いほうが年俸も高くなるので、転職までにまだ日がある人はTOEICで高得点を目指して勉強するのも良いでしょう。
英語のできる特許技術者さんは、分野にもよりますが、どこの特許事務所も欲しがっていますよ。

 

4.趣味・特技・志望動機

趣味・特技・志望動機のなかで最も重要なことは志望動機です。

 

避けるべき志望動機

・人間関係が嫌になった
・仕事がつまらない

このように「ネガティブな」志望動機は避けるべきです。

 

人間関係での問題なんてない方が珍しいですし、仕事がつまらないなんて何様だ!と思われてしまいます。

同業他社への転職では同じような仕事内容になることが多いので、志望動機に「仕事がマンネリ化した」なんて書いてしまうと、「また飽きるのでは」と思われてしまいます。

 

ということは裏を返せば「ポジティブな」志望動機なら積極的に書くべきです。

 

より規模の大きな会社や事務所へ転職するなら「スペシャリストになりたい」「大規模の仕事に関わりたい」とアピールし、小さな規模の会社へ転職するなら「ジェネラリストになりたい」といったようにアピールを変えます。

 

キャリアアップや年俸アップを期待しての転職なら自分は即戦力になるということをアピールすべきです。元の事務所での実績を掲げると良いでしょう。

 

なお、特許事務所から企業知財部への転職はハードルが高めです。なぜなら、出身大学をアピール出来ませんし(出来るのは20代中盤まででしょう)、特許事務所勤務の弁理士は企業の求めている知財部員像とかけ離れていることがあるからです。

大企業の知財部へ行きたいなら新卒で行くのがベストですし、転職で行くなら同じレベルの大企業から大企業へということになります。
中小企業の知財部から大企業の知財部となると、かなり難しくなりますので、転職エージェントから情報をもらったほうが良いです。
ただし、ここに行きたい!と行きたい会社が決まっている場合には自己応募のほうが良いでしょう。
また、転職エージェントには情報を聞くだけきいてサヨナラをしてしまっても彼らとは知財業界で接点は無いので問題ありません。
勤務地が志望動機に挙げられているばあい、単純に「家族と過ごしたい」といった理由の他に、「自分が転勤先の会社に何をもたらすことができるか」といった視点で書くと良いでしょう。

 

知財業界未経験の場合は「知財って流行りだし、なんとなく興味がある」というようなフワフワした志望動機では落とされてしまうので、しっかりと戦略を練ってください。
そして、知財の仕事がどういうものかある程度は理解してから知財業界へ飛び込むことをお勧めします。
バリバリ働いているかっこいい弁護士をイメージして弁理士事務所で働きたいなんて考えていると実態との違いにショックを受けること必至です。
弁理士って超儲かる!と思っているのなら、それはきっと受験予備校の宣伝に騙されています・・・。

 

趣味については場合によっては自己アピールに繋がるので書き方次第では有効です。たとえば、「アニメ鑑賞」が趣味の場合、企業知財部では良い印象を与えられないでしょうが、特許事務所の所長の趣味がアニメ鑑賞であることでわかっている上で書くのなら良いでしょう・・・!?(これも自己責任でお願いします)

 

特技についても、やはり自己アピールに繋がる書き方をすると良いでしょう。

「内定をもらう」という目標を目指してがんばってください!

 

なお、フリクションボールペンで履歴書を書いて受かった人、お問い合わせより連絡ください(笑)