知財業界に興味のある学生さんは、就職先候補として特許事務所を考えている方もいらっしゃると思います。
後のキャリアにおいてこれはプラスになるのかどうかを検討していきたいと思います。

まず結論から言ってしまうと、「とりあえず一度は一般企業に入社しておいた方がいい」です。

なぜなら、特許業界はあまりにも狭すぎるからです。
いきなり新卒で特許事務所へ行くと、ビジネスマナーのように一般常識を学ぶ場がありません。
学ばずとも普段の仕事の中で覚えていく人もいるので一概には言えませんが、敬語が使えない人は要注意です。

また、大きな組織の中で働く経験はしておいた方がいいです。
一般に名が知られている企業でなくて構いません。BtoB企業で良いです。
隠れた名企業はたくさんありますよね。
一般の人に会社名を言っても「どこそれ?」で終わってしまいますが、知財業界の人間なら「立派な企業にお勤めですね」となりますのでご安心ください。(基本的に特許事務所のクライアントはそういうメーカー様が多いです)

大企業のブランドを背負って仕事をするという経験はマイナスになることはないでしょう。

ただ、周りにたくさんの優秀な人がいるために自分の小ささを感じ窮屈な気持ちになることもあるでしょう。
そうなった頃にようやく特許事務所への転職を考えれば良いと思います。

逆に言うと、就職先が見つからなくて小さな企業に就職するしかないなら最初から特許事務所へ行くのもありです。
さらに、「将来弁理士になる」という明確な目標があるのなら、同様に最初から特許事務所へ行っても良いでしょう。
一般企業で経験を積まずともご活躍されている弁理士はたくさんいらっしゃいます。

ただ、「自分は本当は大企業へ行けたのに特許事務所を選んでしまった」と考えるとずっと後ろ向きな気持ちのまま仕事をすることになりますので、そうならないためにも、一度は企業経験を積んだ方が良いと考えます。

人によってさまざまな考え方はあるでしょう。

もし就職先をどうしようとお悩みの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。