「きちんと片付けて」と言っても片付け(られ)ない。

仕事上でミスをしても謝らない。

話すときには、なぜかいつも上から目線で、注意されたら逆ギレする・・・

 

そんな部下をお持ちではありませんか?

 

もしこのようなことが多いなら、あなたの部下は、いわゆるアスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)かもしれません。

 

自閉症スペクトラム(以下、よく知られている「アスペルガー症候群」という言葉を使います)とは、生まれつきの脳機能障害であると考えられています。
コミュニケーションが苦手で興味や行動に偏りがあります。

 

知的障害ではないので、頭脳的にはアスペルガーでない人と変わりはありません。ですから、大学(院)を卒業している人も就職している人も大勢います。

 

このように、アスペルガー症候群の場合には頭脳的には劣っていないのですが、コミュニケーションの面で問題行動が見られます。

 

そのため、学生時代までは「変わった人」で済んだのですが、就職すると、お客様相手に「とんでもない」発言をしたり、場の空気を乱すために、問題が顕在化することがよくあります。

 

冒頭に書いたように、一言謝れば済むことでも自分の非を認めないために、通常の業務に支障がでます。

 

アスペルガーの人と接点を持ったことがなかった人には、「自己中・怠け者」に見える部下に対して怒りを感じる人もいることでしょう。
見た目では発達障害なのかどうか区別できないのでなおさらです。

 

仕事だとどうしても毎日顔を合わせることになるので、人によってはかなりしんどい思いをしている方もいらっしゃると思います。
もちろんしんどいのは部下も同じでしょう。

 

会社としても障害があることを理由に解雇は出来ないので、どうにかして仕事を続けてもらおうとします。

 

そして、そのしわ寄せが貴方一人の上にのしかかってきているかもしれません。

 

あなたはただの上司なのに、母親のように「世話」を焼かなくてはいけないかもしれません。

 

口で言っても理解してもらえないので毎回メールにして支持する。

同じことを何度も質問され、何度も答える。

会話が噛み合わない。けれど無視したり仕事を与えないとパワハラになるので毎日同じことを教える。

 

これらが度重なると精神的にストレスとなります。

 

たとえ、「この人は発達障害だから私のほうが理解を示さなくては」と決意したとしても、毎日これだと、疲弊してしまいます。

 

部下を持ったからには、上司としてしっかりマネジメントしていかないといけないのですが、部下がアスペルガーの場合にはマネジメントがかなり難しいといえます。

同じ状況にある人に相談したり、本を読んでどのように対応したら良いか知識として学んだとしても、やはり、付け焼き刃ではうまくいきません。

 

そして、最終的には、あなたが鬱になってしまいます。

 

 

このように、アスペルガー症候群の人と接していて大きなストレスを感じている人は、カサンドラ症候群になっている可能性があります。

 

不眠や鬱症状は出ていませんか?

 

部下と話していてもどんどん話がずれていき、感情的になった部下が一方的に話しているだけ。言い訳ばかり・・・

 

それにより部下の発言などが忘れられなくなり考え込んで不眠症になり、うつ気味になっていたとしたら、それはカサンドラ症候群です。

 

 

カサンドラ症候群になった人が元の状態に戻る方法は一つだけ。

 

 

アスペルガーの人との接点をなくすことです。

 

 

アスペルガーは病気ではないので「治り」ません。

 

したがって、あなたのカサンドラ症候群を「治す」ためには、原因となる人と距離を置くことが必要です。

 

 

・・・しかし、クラスメイトなら避けることも出来るでしょうが、仕事をしていると離れたくてもそうはいきません。

 

そこで、あなた自身を守るためにも会社に自分か部下の異動願いを出します。

 

これが聞き遂げられればあなたのがカサンドラ症候群は緩和します。

 

しかし、上司が既にアスペルガー症候群の社員について認識しているとしたら、異動願いは容易には聞いてくれない可能性があります。

 

「慣れているだろう」ということで、あなたに相変わらず「世話」を押し付けてくる可能性が高いでしょう。

 

これでは、あなた自身の仕事をすることが出来ず、ストレスはたまる一方です。

 

したがって、もう限界だ!と感じたら、転職を考えても良いと思います。

 

部下と距離をおきたいからといって、その部下を退職に追い込むようなやり方は人間としてすべきではないでしょう。
(特に、アスペルガーの人の場合はなかなか転職先が見つからないので文字通り追い込むことになってしまいます。)

 

しかし、会社も話を聞いてくれない。

 

となると、取り得る手段はもう、あなたが逃げるしかないのです。

 

会社には黙ったまま、転職活動をしましょう。そして、転職先が決まったら、退職願を出します。

法律上、退職願は退職する日の2週間前に提出すれば退職できることになっています。

これでは引き継ぎも上手く行かず会社から怒られたり引き止められる可能性が高いのですが、辞める会社のことはもう考えないで自分の未来のことを考えましょう。

 

引き止めるくらいなら、もっと早くに改善策を提示すべきだったのです。

協力してくれなかった会社に愛想を尽かしても当然です。

 

なお、転職先でトラブルにあわないように、転職先の情報についてはよく調べてください。

 

このような転職の仕方は「逃げ」であり自分で自分を許せなくなるかもしれませんが、あなたは今までよく頑張りました。この経験はマネジメントをしていく上でプラスになると思います。

過度に責任を感じると鬱を引きずってしまいますので、適度に「無責任」になってください。

 

なお、知財業界での転職を考えている方には私も情報をお渡しできますのでお問い合わせください。