企業とは違い、少数の人が毎日顔を合わせて黙々と仕事をこなす特許事務所では、特有のストレスがあります。

たとえば、所長と相性が悪い人、または所長に嫌われてしまった人は理不尽な扱いを受けて精神的に追い詰められてしまう場合があります。
自分は明らかに特許事務所に貢献しているのに他の従業員に比べて給与が低く設定されてしまうことに対して不満を持つ人もいるでしょう。

また、会話がなくずっと座ってする仕事なので、腰痛や肩こりなどの持病を抱える人も多くいます。
中にはストレスからうつ病を発症する人がいます。

 

しかし、うつ病を発症してしまっては手遅れです。うつ病を発症する前に対策を打たなければいけません。
実際にうつ病になってしまった場合は病気の治療に専念しなければいけないので、退所し無職の状態になってしまう可能性もあるからです。

そして、病気療養という名目で無職期間が続くと、次に就職先を探すときに大変な思いをすることになります。

 

したがって、自分が極限まで追い詰められる前に、今の特許事務所に見切りをつけてしまいましょう。
特に、理系の男性は真面目で他人に頼ることが苦手なため人に相談することもせず全てを自分で抱え込んでしまいがちです。

 

確かに転職はなるべくしないほうが良いのですが、自殺したいほど精神的に追い詰められて仕事を続けるくらいなら今の事務所に見切りをつけてしまう方が健全でしょう。

残業が100時間以上あるなら転職を考えるべきです。残業80時間だって十分に過労死ラインです。それにパワハラが加わるとなおさらです。残業60時間で倒れてしまう人もいます。
経営者ならどれだけ働いても疲れを感じませんが従業員の場合は異なります。
最近は「打たれ弱い」人が増えているため、多少の理不尽があるだけで「ブラック企業だ!」と言ってしまう人がいるのは事実です。

しかし、限度を超えた労働環境でうつ病を発症してしまう人がいるのも事実です。

 

特に、特許事務所に勤務している社会的責任感の強い30代・40代に多いでしょう。
彼ら・彼女らは日頃から所長からの暴言等パワハラを受けておりまともな判断力を失っています。そのため、転職して逃げてしまえばいいのにそんな選択肢さえも考えずに死ぬしかないと思い詰めてしまうのです。

 

仕事は遊びではないので辛いことが多いのは事実ですが、パワハラは許されることではありません。そして、追い詰められて死んでしまってはそこで終わりなのです。
現在パワハラや人間関係で苦しんでいる人は、「逃げ」と見られるような退所の仕方でもいいので転職してしまったほうが良いのです。
うつ病も病気の一種なので治療が必要となります。環境が変わらない限り簡単には治りません。

 

もし、あなたが朝起きたときに憂鬱な気分になったり、倦怠感を感じやすくなっていたり眠りが浅いという症状が出ている場合には、うつ病になりかけています。
このままだとうつ病が進行し、下痢や嘔吐といった症状が出る等肉体的にも精神的にも症状が現れてきて簡単には治せなくなります。うつ病が完治するには1年以上、長い場合には数年かかりますから。
家族にも多大な負担をかけることになります。

 

こうなる前に環境を変えることをお勧めします。

ズルズルと毎日を過ごしていると手遅れになりやすいので、勇気を出して家族にも相談し、転職の決意を固めましょう。

なお、パワハラを受けていただけで、特許技術者としての自分の力に自信があるのなら転職先は再び特許事務所でも良いでしょう。

しかし、良い明細書を書く自信がないのなら、企業の知財部への転職なども視野に入れましょう。権利化業務ではなく知財業務に適性がある場合もありますから。
(なお、権利化業務を内部で行っている企業はたくさんあります)

特許事務所から企業の知財部への転職というのはなかなか難しいのですが、最近は転職は容易になってきました。(といってもやはり難しいです。書類選考に落ちてしまうこともよくあるでしょう。運良く書類が選考した場合、面接練習の相手になりますのでお問い合わせください。現役大企業知財部員たちに面接官をしてもらえます)

会社にもよりますが、責任感のある仕事を任せてくれたりやりがいを感じることのできる仕事も多いので、狭き門ではあっても企業知財部への転職は有効です。
とくに特許事務所に比べて福利厚生がしっかりしているところが多いので安定という意味では大きなメリットですね。

 

既にうつ病を発症してしまっている場合には今の仕事を辞め、療養をしながら転職活動をする必要があります。この場合は仕事をしながら転職活動をする場合に比べ不利になってしまうので自分一人の力では求人情報を集めてくることも大変です。

 

なお、もう特許業界は嫌だという場合には異業種へ転職してしまうのも手です。(弁理士には弁理士資格を抹消登録・再登録する人が多い)
たとえば、研究開発の経験があるなら、企業の研究開発部への転職を考えましょう。あまりにもブランクが長い場合には不可能ですが、可能性はゼロではありません。

人とコミュニケーションをとるのが得意な人は営業の道を選ぶこともできます。
なお、うつ病治療のためにブランクがあると求人側としては気になるところです。

この場合、正直に話してしまってもいいし、聞かれなければ答えないというのも方法の一つでしょう。

必要な場合には弁理士である我々が情報をお渡しします。
業界健全化のために尽力しておりますので、何か困ったことがございましたらお問い合わせください。