薬剤師をしていると、他にも何か資格を取りたいと思う方もいるでしょう。

たとえば、医師と薬剤師、看護師と薬剤師のダブルライセンス保持者というのはたまにいますよね。

 

でも、既に取ってしまったのなら構いませんが、これから目指すなら、これらの資格よりもっとお勧めの資格があります。

それは、弁理士資格です。

理系の難関資格で法律の勉強もしなくてはいけないから大変というイメージがあるかもしれませんね。

確かに弁理士試験は難関です。

 

しかし、その収入は非常に魅力的です。

平均年収でいうと薬剤師より200万円以上高いからです。

 

特に、東京や大阪のような都心で働きたい人に向いています。

薬剤師の場合は地方の方が給料が高いのに対し(地方では人が足りないため)、特許事務所勤務の弁理士では、どこに住んでいようが給料は変わりません。
特許事務所自体が東京と大阪に密集しているため、都心で働くことが多いでしょう。

 

デメリットとしては、弁理士はかなりの激務だということでしょう。
場所にもよりますが、長時間の残業は覚悟しておいた方が良いでしょう。

 

もちろん残業があまりない特許事務所や在宅ワークが可能な特許事務所もあります。
私の友人のママさん弁理士は時短勤務をしたり、育休中は所属事務所で特許翻訳のバイトをしていました。

子育て中の女性は、そういった特許事務所を選ばないと辛いことになります。

 

しかし、特許事務所の方針がリモートワーク可能で子育て世帯に優しい場合はこれほど働きやすい場所はありません。

 

薬剤師が弁理士の資格を受けるに当たって一番の問題は、実は試験の難しさよりも、その仕事内容でしょう。

 

弁理士の仕事は主に特許明細書と呼ばれる書類を書くことなのですが、これがもう、非常に頭を使います。
抽象的な発明というものを具体的な言葉に落としていく作業をずっと続けていると常に脳がフル回転状態でしんどいです。

 

しかし、明細書を書くのが好きな人はずっと続けていられますし、仕事の中に楽しみを見つけられます。

そこで、ご自分に特許明細書を書く仕事が向いているかどうかを知るために、一度特許事務所で「特許技術者」として働いてみると良いでしょう。

 

「弁理士資格を取らないで特許事務所で働く?」と不思議に思われるかもしれませんが、特許技術者の仕事の内容自体は弁理士と変わりません。

違うのは肩書と給料だけです。

 

もし特許技術者の仕事を続けてそれが合っていると感じたら、弁理士を目指しましょう。どうしても合っていないと感じたら、最初から弁理士試験には手を出さないほうが良いでしょう。

それだけ大変な試験です。

(もしあなたが特許や知財業界未経験で年齢が40歳以上なら、弁理士資格は諦めておいたほうが無難です。特許業界では何よりも実務経験を重視しますから。弁理士試験に受かっても実務経験の無い者に仕事はありません。薬剤師の資格を活かした方がずっと良いです。)

 

よくあるのが、とりあえず弁理士試験の勉強を始めてしまって、何年もかかって弁理士資格をとったけれど自分には特許明細書を書くという仕事が向いていなかったと気づくというパターンです。

これは非常に勿体無いです。

 

弁理士試験の資格予備校の学費は高額ですし(私は100万円くらいはかけました)、勉強に時間をかけるということは、他の時間を削られてしまうということです。

独身の人だったら恋人と、結婚している人だったら家族(特に子供)と過ごす時間は貴重です。
そんな時間を削って人生をかけてまでやるべきかどうかは半端に手を出す前によく考えたほうが良いでしょう。

 

ただし、特許明細書を書くのが嫌いではなくて、弁理士資格を取れれば、薬剤師よりずっと高給取りになれます。

経験を積めば独立することも出来るので、その場合は年収数千万円も可能です。
人によっては自分がトップになれる「独立」が一番のポイントかもしれませんね。

 

また、薬剤師の場合は、「選択科目」と呼ばれる試験が免除されます。これは結構大きいです。

私は何も免除される資格を持っていなかったので、弁理士試験本試験と連日で選択試験を受けました(旧制度下。今は制度が変わっています)。
本試験に集中したいときに選択試験の勉強をするのは不利なので、選択科目免除の人を羨ましく思ったものです。

 

もし弁理士資格とのダブルライセンスに興味を持ったなら、まずは特許事務員や特許技術者として特許事務所で働いてみてください。

 

特許事務所への転職を成功させたい方はお問い合わせください。
あなたが転職に成功出来るように最大限の助言をいたします。
薬剤師としてのキャリアを中断することになるので転職というものは非常に大きな転換点です。

ここで転職に失敗してしまうと再び別の特許事務所への転職活動をする羽目になってしまうのでキャリアにも傷が付きますし、精神的な負担も大きくなります。

 

激務の特許事務所や待遇の悪い特許事務所に入所してしまうと夢を打ち砕かれてしまいますし、後に弁理士試験の勉強を始めるときに勉強時間をとれなくなってしまいますので、相談することによって人生を好転させて下さい。