商標権には財産的価値があります。そのため、有名な他人の商標が商標登録されていないことに気付いた人が先取り的に当該商標の登録を受けようとすることがあります。

このような商標ブローカーのような商標登録出願は、商標法4条1項19号の規定により拒絶されます。

 

あいぴー
すごい事実に気づいてしまったで
チーたん
なんかまた悪いこと企んでいるんでしょ
あいぴー
フランスですっごく有名な化粧品があるんやけど、まだ日本では販売されとらんねん。
わざわざ日本からフランスまでいって買ってくる人もいるような人気ブランドや

でもな、まだ日本では商標登録されとらんねん。

チーたん
だから、日本で先に商標登録出願しようって?
あいぴー
そうや!上手く行けばそのブランドの日本代理店になれるかもしれんし、なれんかったとしても商標権を高値で売れるやろ?
チーたん
そういうこと考える人たくさんいそうだなあ。
ふっくん、こういう場合どうなるの?
ふっくん
もちろん商標法ではそんな商標出願は登録してくれませんよ。商標法4条1項19号で拒絶されます。

商標登録を受けることができない商標

第四条  次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。

十九  他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)

あいぴー
じゃあ、日本でまだ有名になっていない商標ならエエやろ?
フランスだけで人気の商品の商標を取ったろ
ふっくん
そういった先取り出願も拒絶されますよ。
あいぴー
でも、たとえば、「オレンジ」というアメリカだけで有名な商標があった場合にその商標を日本で登録を受けようとしてもばれんよな?
ふっくん
まあ、造語である場合のほうが「不正の目的」の認定はされやすいですね。

いずれにしても、そういった他人に恨まれるような不正な行為はしない方がいいですよ。

自社の信用も傷つけてしまいますからね