なぜ猫も杓子も知財、知財と知財を重視するのでしょう?

それは、「形のある物体よりも情報の方が価値がある」からに他なりません。

 

19世紀まではモノに価値がある時代でした。物余りの現代では、ものよりも情報に価値があります。

そして、保有しても場所を取らないので、知財は最高の財産なのです。

 

 

チーたん
知財経営をすると売上が上がるの?

ふっくん
すぐにはあがりませんよ。むしろ、短期的には下がる可能性だってあります。

チーたん
じゃあ、知財経営なんてしないほうがいいね

ふっくん
知財を無視するのは、目先の小銭を拾い、遠くにある札束を無視しているようなものです。
なまくらノコギリで木を切り続けるのか、一度手を休めて斧を磨いてから木を切るべきか。
どちらが将来的に楽になるか言わなくともわかるでしょう。

ふっくん
例えば、チーたんがカバンメーカーで、収益をあげたいと思ったらどうしますか?

チーたん
う~ん、カバンの値段を下げる、とか?

ふっくん
あいぴーに聞いても同じような返答をしていましたよ!

そんなことをしたら仕事は増えるのに利益は少なくなってしまいます。それに、人件費の安い海外に勝てるわけがないのですから、下手したら赤字になります

チーたん
じゃあどうしたらいいの?中国に進出すればいい?

ふっくん
違います。逆に価格をあげるんです
チーたん
そんなことしたら一つも売れなくなるよ!

ふっくん
理由もなくただ値段をあげるわけではありませんよ。付加価値を付けて価格を上げるんです。
例えば、バッグを売りたい場合、価格競争をしてしまえば中国品に勝てるわけがありません。
でも、ブランド力を高め、その商標をバッグにつければ数倍から数十倍の値段を付けても売れるようになります。

チーたん
でも、ブランドなんて、うちみたいな零細企業には関係ないよ

ふっくん
ブランドは大企業しか持たないものではありませんよ。多くの中小企業が会社のブランドや製品のブランドをもっています。
たった一人の職人が手作りしているカバンだって、ブランド品になりますよ。それも高級な。

ふっくん
ブランドだけではなく、デザインや音楽、文章、そして技術も有力な知的財産です。
例えば、特許を取得すれば、特許発明は自社しか作れなくなるので、その製品を作りたい大企業と対等な立場で商談を進めることができます。
また、知的財産権さえあれば、そもそも製品を作る工場や販売網がなくとも頭脳一つあればよくなるのです。

ふっくん
自社は知的財産を生み出す研究開発に特化し、製造や販売は別の会社に任せてしまってもいいのです。
設備などに投資する必要はなく、知財を生み出す人間さえいればいいということになります。

チーたん
えー?!仕事は汗を流してするものというイメージがあるけど

ふっくん
頭に汗を書いてください。知的財産は人間の頭脳が生み出す財産です。肉体労働ではなく、知的労働をしてください。
知財を持っていればライセンス収入を得たり、売ったり、担保にして資金調達したりすることもできます。

ふっくん
反対に、知財を知らないとそこにつけこまれてしまうことがありますよ。
例えば、著作権の登録をしないと危険だ、とか特許出願をしないと発明を真似されてしまうので共同出願をしてあげましょう、
といった話にホイホイ乗ってしまうことになるでしょう

ふっくん
また、特許権の侵害訴訟の警告状が届くと、慌ててつい和解金を支払ってしまうことにもなるでしょう

チーたん
う、ぼくもそうしてしまいそう・・・

ふっくん
知的財産権法は、法を知らない人を助けてはくれないのです。他人が持っている場合、強力で怖い権利ですよ。

ふっくん
知らずに知的財産権侵害をしている場合でも、侵害は侵害なので、事業が軌道に乗って利益が上がり始めた頃になって、突然損害賠償を請求されることもあります。
特にアメリカで実施していた場合、損害賠償額が日本とは桁違いなので会社が潰されてしまいますよ。
日本では損害賠償額は低いとはいえ、差し止めをされてしまうので、せっかっく事業が軌道にのっても、その製品を製造や販売
できなくなってしまったり、せっかく作った製品を廃棄しなくてはいけなくなることもあります。

チーたん
そんなの嫌だ!

ふっくん
真面目に事業をしているのに事業を継続出来なくなるなんてイヤですよね。
知的財産権法、特に特許法と著作権法は厳しすぎると思います。でも、法律で合法的に認められているので、厳しいからといって従わないわけにはいきません。
ですから、その厳しさを逆手にとって活用すべきなのです。
ライバルより先手を取って知財を活用しましょう。

チーたん
よーっし。僕も知的財産を手に入れるために頑張るぞ!

ふっくん
知的財産はあくまでも事業を有利に進めるための手段であり、知的財産権を手に入れることが目的になってしまっては本末転倒です。
特に、経営資源に制約の大きい中小企業にとっては、直接・間接的に収益を上げられないのなら、コストがかかるだけで事業の足かせになってしまいます。

ふっくん
ですから、何を知的財産権として守り、何は知的財産権にしないのか見極めていくことが大事になります。

チーたん
どうやって見極めればいいの?

ふっくん
それはまた別の機会にお話します。今日は経営者のあいぴーがいらっしゃらないので

チーたん
あいぴーは今日も小説書くって。来月のコミケに間に合わせるため

ふっくん
う~ん、知財担当者だけでなく、ぜひ経営者にも知財の大切さは分かって欲しいのですけどね(^^;)