実に様々な標章が商標登録されていますが、何でもかんでも商標登録されるというわけではありません。

商標法の基礎中の基礎、3条1項1号の規定について学びましょう。

 

あいぴー
うちの会社で時計を販売し始めようと思うんやけど、指定商品「時計」・商標「ウオッチ」で商標登録出願お願い出来へん?
ふっくん
お願い出来へんです。
あいぴー
は?居候のくせに態度でかいな、ふっくん。
ふっくん
やりたくないと言っているわけではなくて、商標登録出願しても出願拒絶(商標法15条)されてしまうから出願するだけ無駄だって言いたいんです。
あいぴー
何で商標登録されへんの?
ふっくん
「ウオッチ」は「時計」についての普通名称に過ぎないからですよ。

「ウオッチ」を「時計」で出願しても、商標法3条1項1号の「その商品または役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当してしまいます。

あいぴー
じゃあ、指定商品「時計」で「ウオッチ」は絶対に商標登録されへんの?
ふっくん
ウオッチだけでなく、たとえば「アルムバンドウーア」のようなドイツ語でもだめですよ。日本語に訳したときに「腕時計」になりますよね。
ただ、特殊な態様にすれば商標登録される可能性はありますよ。
たとえば、すごく変わった書体で「ウオッチ」と書くとかね。

でも、それでは商品を目にした人がそもそもそれをウオッチと読めないでしょうし、ウオッチと読める程度だと商標登録されないでしょうし、まあ、まず無理ですね。

あいぴー
動き商標とかホログラム商標もあるやろ?
ふっくん
いくら動いていたってホログラムで光っていたって「ウオッチ」と識別できるかぎりは無理ですよ(商標審査基準参照)。
あいぴー
仕方ない・・・。じゃあ、「アイ・ウオッチ」で手を打つわ
ふっくん
それも無理です
あいぴー
「時計」の普通名称やないやろ!
ふっくん
自分の名前があいぴーだからアイ・ウオッチはOK。アップル製品みたいだしね♪とか考えているんでしょう?
そんな出願、商標法3条はパスしても4条で拒絶されるんですよ(商標法15条)。

まあ、悪いことは考えないで真面目に仕事してください。

あいぴー
な、何も悪いことなんて考えとらんわ・・・(;´Д`)