魅力的な言葉や商品名を聞いたら、それが他人の商標でも、商標登録を受けたいと思うことがあるかもしれません。
このようなときに、赤の他人がその商標の登録を受けることは出来るのでしょうか。
出来たとして、何か問題はないのでしょうか。

あいぴー
ライバル社の新製品、まだ商標登録していないみたいやから先に商標登録してやろうと思ってるんやけど、うちが商標登録出願しても登録されるやろか?

チーたん
そういうの、法律で禁止されているんじゃない?

ふっくん
いえ、大丈夫ですよ。ライバル会社の商品に使われている商標が有名でないのなら、あいぴーが先に商標登録出願をして商標登録を受けることができます。

チーたん
ええ!?そんなのズルいよ!

あいぴー
フフ。商標登録の重要性を認識していなかったライバル会社が悪いんや。

チーたん
なんでそんなことが許されるんだろう?
逆に考えると怖いよね。
他社から勝手にうちの商標が出願されちゃったら、どうすればいいの?

ふっくん
そんなときは、相手の商標登録を阻止するために情報提供をしたり、登録されてしまった場合には、商標登録異議申し立てや無効審判(商標法46条)不使用取り消し審判を請求したり、さらに、先使用権(商標法32条)を主張することもできます。

交渉して素直に譲ってくれればよいのですが、高額の移転料を請求されるような場合には、上記のような措置をとってください。


チーたん
無効審判請求時の理由はなんて主張すればいいのかな?

ふっくん
同業他社の抜け駆け的な商標登録出願であり、不正目的の商標登録出願である。公序良俗に反する。といったことを主張すればよいでしょう。

あいぴー
・・・ということは、うちがライバル社の商標の登録を受けても同じように無効にされたりする可能性があるわけやな

チーたん
そうだよ。ズルいことはやめて、正々堂々と勝負しようよ!

ふっくん
有名でない商標は、たとえ他人の商標であっても登録を受けることができてしまいます。
そして、商標登録されてしまったライバル会社は、その商標権を譲り受けるか、無効などにして消滅させてしまわない限り、自社の業務に支障がでてしまいます。

したがって、これは!と思う商品があるときは、早期にその商標登録出願を済ませてください。
上述したように、他人の不正な商標登録については無効審判などを請求することができますが、かなりの金額と時間が必要になります。そんなことに無駄に時間とお金を使うくらいなら最初からきちんと商標登録出願すべきです。


チーたん
知的財産権についてのきちんとした知識がないと、変なところで足をすくわれてしまいかねないから、ぼくも特許だけでなく商標法についてもちゃんと勉強するよ

ふっくん
それでこそ知財担当・チーたんです!

あいぴー
ところで、うちの商標出願しといてくれん?

チーたん
だからぁ、こっちに不正の目的がある限り、裁判に持ち込まれたら勝てるわけなくて、時間とお金の無駄だし会社のイメージダウンにも繋がるから、そんなことしちゃダメなの!ヽ(`Д´)ノ