ブランドのライセンスにはいくつか種類があります。
コーポレートブランド(会社のブランド)のライセンスや商品ブランドのライセンスだけにとどまらず、ライセンスの方法にもさまざまなものがあります。

ライセンスを受ける側も与える側もライセンスの種類について知っておくと役に立ちます。

あいぴー
うちの会社はドイツから製品を輸入して売っているんやけど、これもブランドをライセンスしていることになるん?
ふっくん
なりますよ。ブランド本社が生産し、日本に輸入された製品は、インポートブランドと呼ばれています。
あいぴー
知的財産権のライセンスというと、もっと違うイメージがあるんやけど・・・

ふっくん
あいぴーが言っているのは、ライセンスブランドのことですね。

ブランド本社から商標を使う権利を買った会社が生産した商品にブランド名を付けた商品をライセンスブランド品と呼びます。


あいぴー
ああ、それそれ!
うちが商標権者だったら、自分のとこで商品を作らずに商標だけ貸して稼げるってエエなぁ

チーたん
特許のライセンスのところで学習したけど、自社が生産しないのに知的財産権をライセンスするだけで稼げるから、怠け者のあいぴーにピッタリの方法だよね!

あいぴー
チーたん、最近知財の勉強をして賢くなったからってトゲが出てきたんやないの?

ふっくん
まあまあ。
社員が学習して能力を高めて自分のブランド力を高めるというのも良いブランディングですよ
あいぴー
そして、うちを捨てて別のところへ行ってしまうんやな・・・(T_T)
ふっくん
捨てられたくなかったらあいぴーも勉強してくださいよ(笑)
ふっくん
さて、ブランドライセンスの話を続けましょう。

ライセンシー(ブランドを使う権利を買った企業)にはマスターライセンシーとサブライセンシーがあります。

 
ブランド保有者からブランドの使用許諾を受けるのがマスターライセンシー。マスターライセンシーから特定の商品について使用許諾を受けるのがサブライセンシーです。

 

ふっくん
ライセンスブランド品は、必ずしもブランド本社のデザイナーがデザインしたものではありません。むしろ、ライセンスを買った企業が自主企画した製品の方が圧倒的に多いと言えます。

 
イタリア本社にブランドを置くブランド品の生産地表示がMADE IN CHINAなんてごく普通に散見されます。

ライセンサーにとっては、自分が製品をデザインも生産もしなくても名前を貸すだけで収入が得られるので、これほど美味しいビジネスはありません。


ふっくん
 しかし、何でもかんでもライセンスしてしまうと、元のブランドの高級なイメージが損なわれてしまいます。

例えば高級ブランドにも関わらず便座や水虫薬などに名前を使われてしまうと、商標のイメージが汚されてしまいます。

 

ふっくん
また、販売される店舗も、百貨店や高級ブティックならともかく、スーパーの用品売り場でも買えるようになると、希少性も薄まり、高級感は失われてしまいます。

あいぴー
売り場やライセンシーは厳選せなあかんな。
ふっくん
そうです。ライセンスの申し込みが来ても断る勇気が必要です。
チーたん
マスターライセンシーはサブライセンシーが変な商品を作らないように品質を監視しないといけないね。
ふっくん
そうです!さすがチーたん、特許ライセンスで勉強したことを応用出来ていますね。
チーたん
でへへ(*^ω^*)
あいぴー
品質を管理するには、契約を厳しくした方がエエよな。
ライセンスを許す場合は、販売地域とか期間を限ってもエエの?

ふっくん
それも特許ライセンスのところで話しましたが、一定の場合には独占禁止法違反になってしまいます。

でも、契約自体は自由ですので、あまりひどくない程度にならそんな限定を付した契約をしてもいいと思いますよ。


チーたん
ライセンスの話は特許権のライセンスと重なるところがあるから復習してこよーっと

ふっくん
特許権のライセンスにも仮通常実施権など様々なものがありますし、許諾によるライセンスではなく、法定通常実施権というものもあります。たとえば、先使用権冒認中用権などがありますね。特に意匠法においては先出願による通常実施権など独特の制度がありますよ。