特許を取りたいけど、そんなにお金をかけたくないし、早く権利が欲しい!というニーズもあると思います。

そんなときは実用新案権を取ることをお勧めします。

特許と違ってすぐに登録されますよ。

ただし、権利は特許ほど強くないので注意が必要です。

 

 

チーたん
特許を取れない発明でも実用新案法で保護される可能性があるって聞いたんだけど、どういうこと?

ふっくん
実用新案法は、特許ほど高度でない発明(考案)を、無審査で登録する制度です。

実体審査を行わないだけで、特許庁への出願手続きが必要です。

この点、何も手続きをしなくても権利が発生する著作権とは違います。

 

権利期間は特許の半分の10年です(実用新案法15条)。

ただし、出願後にその実用新案登録に基づく特許出願をすることもできますので、強くて長い権利が欲しいと思い直した場合は 特許で権利を取り直すことができます。逆に、特許出願や意匠登録出願から実用新案登録出願へ出願変更することもできます(実用新案法10条)。

出願時に特許出願は図面は必須ではありませんが、実用新案登録出願においては必須です(実用新案法5条2項)。

また、早期に登録するために、出願と同時に登録料を支払う必要もあります(実用新案法32条1項)。

ふっくん
特許とは違い、出願審査請求をする必要はありません。審査官による実体審査は行われないからです。ですからお金も特許ほどかかりませんが、特許ほど強い権利ではありません。

方式審査と基礎的要件さえ満たしていれば設定登録されます。登録されると、実用新案公報が発行されます(実用新案法14条)。

実用新案権は特許とは違い実体審査が行われないので、権利に傷がある場合があります。

無効理由を有する権利に基づいて差し止め請求や損害賠償請求といった権利行使をしてしまうと、後で権利の無効が判明したと きに、大変なことになってしまいます。

そこで、実用新案権者は権利行使を行う際に技術評価書(実用新案法12条)を提示して警告をしなければいけないこととされています(実用新案法29条の2、実用新案法29条の3)。

この技術評価書は設定登録された登録実用新案の権利の有効性についての客観的な判断材料となるものであって、審査官が先 行技術文献の調査を行って作成するものです。


チーたん
なるほどね!ちょっとした発明なら実用新案法で守ってもらうのもアリだね