小説家デビューを目指す未来の作家にとっても、既にプロで活躍している作家にとっても、高額の賞金がもらえるコンクールの存在は気になります。
ここで、高額の賞金を掴むことができたということは、出版すればそこそこ売れるということです。

コンクールの賞金をもらっておきながら、更に出版して利益を得ることをしてもいいのでしょうか。

また、反対に賞金が低額のときに著作権が出版社に移転してしまうのは理不尽な気がします。

あいぴー
SF小説コンクールがあって、優勝者には賞金1000万円やって!
チーたん
金額が大きいね。ダメ元で原稿を送ってみたら?
あいぴー
そうやな。

入賞した場合、うちの書いた小説の著作権の扱いはどうなるんやろ?

うちのものやの? 出版社のものになってしまうん?

ふっくん
著作者となるのは、小説を創作した者。つまりあいぴーですよ。

「応募作品の返却はいたしません」との規定があっても、これは著作権とは関係ありません。

したがって、募集を行った主催者が、入賞作品の出版をしたい場合には、募集要項に「主催者が予定している利用行為」や「主催者への著作財産権の譲渡」などについて明記しておくことが必要です。

あいぴー
応募要項にそう書かれていなければ入選作をうちが出版してもエエの?
ふっくん
契約がないのなら大丈夫です。

しかし、慣行上問題がありそうですね。

今回は賞金が高額なので、主催者は著作をの譲り受けることを意図しているでしょう。

あいぴー
本名で発表されたり小説の一部を変えられたら嫌なんやけど
ふっくん
氏名表示権(著作権法19条)や同一性保持権(著作権法20条)といった著作者人格権はあいぴーに依然残りますから大丈夫ですよ。

主催者へ移転するのは著作財産権だけです

あいぴー
安心したわ
チーたん
応募する前からそんな心配しないで早く書きなよ~
あいぴー
著作権の心配事を無くしてから書きたいねん!
ふっくん
仕事もしてくださいね(^^;)