弁護士になって働いてきたけど、想像とは違ってツライし給料低いし仕事つまらないし、もう仕事辞めたいけど辞めて何すればいいのか・・・という悩みをお持ちの弁護士さんはたくさんいると思います。独立したはいいけど想像以上に悲惨だったとか。
声に出しては言えない悩みですけどね・・・。

私はサイトを通じていろんな弁護士さんから連絡を貰って仲良くなってお話させてもらうことがあるのですが、正直にそこら辺を話してくれる弁護士さんとお話したこともあります。

 

今回は、そんな悩める弁護士さんのために今後のキャリアについて私の知る限りのことをお話したいと思います。

なお、この記事は今現在弁護士として食べていけてる人には何の役にも立たないこと請け合いです。あくまでも「弁護士だけど仕事無い、食えない。将来が怖い」という方のための記事です。

 

まずは企業の法務部ではなく、法律事務所の弁護士さんに向けてお話をしたいと思います。後半は年代別に分けてご説明いたします。

 

弁護士が仕事を得る方法

今は昔と違い法律事務所が増えてきました。

そのため、全国的に展開している法律事務所でない限り、”お客さん”に知られる可能性は低いといえます。(某法律事務所なんかCMをバンバン打って知名度も半端ないですよね)
そのため、弁護士は、積極的に営業して仕事をとってこなくてはいけなくなってきました。

 

・・・が、営業ってめちゃくちゃ難しいですよね。

 

営業はどうやっていいのかわからない、
営業なんてプライドが許さん!という人もたくさんいることと思います。

 

そもそも営業が得意なら「儲かってウハウハ」しているはずですからね。

 

では、営業する代わりに事務所のホームページを作ったらどうだろう?と思う弁護士さんもいるでしょうが・・・

それ、ウエブサイト製作会社に騙されています。

 

だって、HPを作るだけで客が来るなら誰も苦労しないよ・・・

 

HPがあるのは当たり前の時代にはHPを作るだけでは足りません。

HPにプラスして更に努力を積み重ねなくてはいけません。

それができないからWebサイト製作会社の言葉に騙されて勢いだけで独立して撃沈してしまうのです。

 

だから、「自分だけは大丈夫」と思って顧問先の会社も無いのに安易に独立したりしないでください。

綺麗なホームページを持っていても無名の法律事務所に客はあまり来ません。
無責任なホームページ制作会社には怒りさえ覚えます。

独立したばかりの弁護士は、仕事を得るために儲からない法テラスの仕事をもらうことになりますが、最近は法テラスの仕事でさえ取り合いになっているようです。

 

営業もしたくない、ホームページを持っているだけでは意味がない。
・・・それではどうしたらお客さんを得られるのでしょう。

 

それには、お客さんを得るために投資をする、すなわち広告を出すという方法があります。
法律の縛りがありますから無制限にどんな広告でも打てるわけではありませんが、成果報酬型ではなくて、定額の純広告タイプの広告なら出せます。

 

でも、「旦那さんの浮気が原因で離婚したい?それなら◯◯法律事務所へ!」なんてチラシが舞い込んできたら独身世帯のお宅ではびっくりしてしまいますよね(笑)
既婚者のお家でもそんなチラシが来たら不謹慎だ!と怒られてしまいそうです。

まあ、上記の例は極端だとしても、法律事務所の場合はなかなか広告を出せません。

 

ですから広告を出すならWeb広告が効果的なのですが、サイトによっては全く効果がでないので気をつけなくてはいけません。
効果の出ないサイトに広告を出すと逆に悪いイメージを持たれてしまいますから要注意です。悪質な業者もいるので注意してください。

 

広告を出すなら成果報酬型(実際に問い合わせがあり売上が上がった時点で広告料を貰う方式)の方が絶対に良いのですが広告規制がありますからね・・・。

 

あ、もし「成果報酬型なので申込みがあってから広告料金がかかりますよ」なんていう会社があったら、かかわらないようにするかその業者のことは弁護士会に伝えるべきです。
弁護士法に違反してしまいます。

 

もうちょっと広告規制がゆるくなったら良いのですけどね。

 

 

さて、弁護士が仕事を得る方法ですが、「専門性を極める」のも一つの手段です。

 

たとえば、英語力や中国語力など語学力を磨いて国際的に活躍できる弁護士になります。
 

次に、専門性を極めるという意味で簡単な方法は、「専門分野を絞る」ということです。

というのも、間口を広くしすぎるとお客さんがこないからです。本当です。

 

たとえば、顔にぶつぶつが出来た場合にどこの病院にいきますか?近くの皮膚科ですよね?わざわざ大きな総合病院にいきなり行かないですよね。

同じように、依頼人は「専門に特化した弁護士」に依頼しようと考えます。
ごく当たり前のことです。

 

でも、儲かるけど過払い金請求の専門になってはいけません。なぜなら仕事は有限で将来的になくなるから。短期的には儲かってもね。独立して過払い金の得意な弁護士として法律事務所を立ち上げる頃には過払い金バブルは終わっていますし。

大手法律事務所がバンバンCMを打っているのは潤沢に資金があったり儲かるというのもあるけど、「有限な仕事を根こそぎ掘っておきたいから」にすぎません。

まあこんなことは私なんかに言われなくてもご存知でしょうがちょっとだけ言わせてください。
大手事務所でイソ弁として過払い金だけを専門的にやっていたらそりゃスキルも身につきませんし仕事もつまらなくなりますよね・・・と思いまして。

 

じゃあ、どんなものを専門にすればいいんだよとの声が聞こえてきそうですが、たとえば、知財を専門にするということが挙げられます。

でも弁理士の仕事をするのは止めたほうがいいです。理系で明細書を書き続けてきた人でないと弁理士の仕事はできません(独学では99%不可能です)。
ですから、弁理士の仕事ではなくて著作権だとか契約書だとかに仕事を絞ります(だから、肩書は「弁護士・弁理士」ではなく「知財弁護士」なんです。

ただ、知財弁護士を名乗るのは簡単ですが・・・

 

しっかり勉強しないと駄目です。
恥をかいてしまいます。

 

というのもこの前ネットで知財弁護士の人が書いた記事を読んでいたら明らかに法律上の間違いを見つけてしまって、
「うわ、この人全然勉強してない・・・」
とショックを受けてしまいましたからね。

 

まあ、一般の人は法律の記事の間違いになんか気づかないだろうけど、見る人が見たら気付いてしまいますよ。
というか、普通の弁理士が読んだらすぐ気づく。

 

だって、弁理士は平均3年半くらいみっちりと知財の勉強だけをしてきたから。

 

それに比べて、突然知財弁護士を名乗った弁護士は、知財については全然勉強していないか初歩的な知識しか持っていません。

 

中にはすごい人もいますよ。
有名知財弁護士はすごい人だらけだと思います。

 

でも、今までほとんど知財の勉強をしてこなかった弁護士がいきなり今日から「知財弁護士です」と名乗ることは詐欺に違い行為です。

 

いえ、弁護士になれば弁理士登録もできるのだから弁理士ということは出来るのですが、知識が伴っていないと依頼人に不利益を与える恐れがあります。

 

・・・というわけで、知財を専門にするなら、必死で勉強してください。

必死で勉強して知識がついただけで仕事が来るわけでなくて営業をする必要があるのに変わりはないのですが・・・。

もし知財弁護士としてやっていきたいなら、まずは実力がある知財弁護士がいる法律事務所に雇ってもらって知財弁護士の仕事はどのようなものなのかということをOJTで学んで行くのが良いでしょう。

この場合、下記に示すように転職エージェントに情報収集と自己アピールを手伝ってもらうと楽でしょう。

弁護士の今後のキャリア

さて、上記した方法で仕事を得ることが出来たのなら良いのですが、いずれの方法もなかなか難しいと思います。
ビジネスってコツコツと勉強すれば成功するものではないので学校で優秀だった人ほど難しいかもしれませんね。

純粋な気持ちで、弱きを助け強きを挫く!と思って弁護士になった人ほど実際の仕事とのギャップにショックを受けているかもしれません。

 

そんな弁護士さんの今後のキャリアですが・・・

 

一つには、副業でバイトをするなど仕事をかけもちするというのもありだと思います。

バイトと言ってもコンビニバイトとかじゃなくていろいろな種類のバイトがあります(これについて書き出すとただでさえ長いこの記事が恐ろしく長くなるので辞めておきましょう^^;

 

インハウスローヤーの場合は会社で副業禁止だとかいろいろ決まりはあると思いますが、規則に違反しない範囲で弁護士としての仕事をすることもできます。

 

「国選弁護の仕事だけはさせてください!」なんて言うと、正に弱者の味方の弁護士の仕事をしているという実感が持てますし(企業の仕事は直接顧客からお礼を言われることが少ないのでやりがいという点では低いでしょう)、企業側としても「この人はお金のためだけに働いているわけではない」と理解を示してくれるところもあるでしょう。

 

2つ目としては、今の法律事務所を辞めてしまうという方法も良いと思います。

 

もしあなたが学生のうちに司法試験に一発合格したというエリートだったら今の年収は非常に高いでしょうからそのまま生涯お幸せに・・・とだけ言います。

でも、そんな一握りのエリートじゃなくて普通の弁護士だったら、法律事務所を飛び出して一般企業に転職してしまっても良いと思います。

 

法務部じゃなくて、全然関係ない分野もありでしょう。
関係ない分野で働くなら弁護士登録は抹消してもいいでしょう。登録料は高いですからね。

 

あ、ただ、営業職は辞めておいた方がいいです。全職種の中で最も離職率の高いのが営業職です。

特に、金融系や人材系の会社での営業職は離職率が飛び抜けて高くなっています。

今まで「先生」と呼ばれてお金を貰っていた人は精神的に駄目になる可能性があります。それくらいきつい仕事です。

(逆に考えると、元弁護士で金融系や人材系の営業職で成功している人がいたら、本当にすごいです。弁護士として大成するよりもすごいかも!?)

 

 

サンクコストという言葉があって、人は金額や時間をかけたものは途中で諦められないという習性があります。
司法試験なんて人生をかけて必死で勉強をする典型例ですよね。
だからこそ、それが逆にサンクコストになってしまいます。

 

ビジネス感覚に優れた人は、損切り(儲からないものは切り捨てる)が上手くて過去に執着しません。
そして、「本当に自分がやりたい仕事」=天職に出会えるように努力するのです。

 

でも、そんなビジネス感覚を持った人はごく一部。だからこそみんな資格に執着して何年も年を重ねてしまうのです。
そして、転職時において最大の武器である「若さ」を失ってしまうのです。

 

天職に出会える人なんてほんの一握りでしょう。みんな苦しんでいます。

 

・・・でも、勇気を出して一歩踏み出して、それによって天職に出会えた人も確実に存在しています。

 

大手家電メーカーの平均給与は30歳で750万円ですが(商社や金融系はもっと上)、あなたの収入はそれと比べて上でしょうか。下でしょうか。

もしも下回っているのなら、損切りをして、新しい仕事に就いた方が未来は明るいかもしれません。

 

これから法曹人口はさらに増える可能性があるのに刑事事件は減少していて食い扶持に困る弁護士が増えるのは明白です。

現在既に35歳を超えているのなら余程強みがない限りさっさと弁護士という肩書を捨て去って身軽になってしまうのも良いでしょう。
法律事務所以外に勤務経験があったり英語など語学が得意な人は高年俸を得られる可能性があります。

さて、転職についていろいろと書き連ねてしまいましたが、私が企業への転職をお勧めするのは30代の人とプライドを捨てられる40代だけです。

40代で未経験だとかなり待遇が悪い状態での転職になってしまいますから。でも、プライドを捨てられるという人には転職活動もありだと思います。だって50代になってしまうと絶望的だから。

 

なお、投資をするのなら、短期に儲けられるものとして、FXがありますが、FXは投資というよりも投機、ギャンブル性が強すぎるのでお勧めできません。それに一日中パソコン画面を見ていなくちゃいけないし・・・。

 

 

つらつらといらないことをいろいろ書いてしまいました。

結論として、言いたいことはこれだけです。

 

もし今現在稼げていないのならプライドなんて捨ててしまった方が金銭的に楽。

 

弁護士登録を抹消してしまえば、年間数十万の負担からも開放されますしね。

 

なお、知財に興味の有る方には私の個人的な知り合いの特許法律事務所をご紹介できますのでお問い合わせ下さい。