必至で勉強をして弁理士試験に合格!生涯忘れられない瞬間でしょう。
私も当時のことは今でも忘れていません。わざわざ特許庁まで合格発表を見に行きましたし(合格発表の掲示板の近くで知人を見かけても声をかけないのが暗黙の了解らしいです?!
私も友人に会いましたが、暗い顔をしていたので声をかけることができませんでした。でもあとで「合格したよ」というのんきなメールがきましたがw)
さて、弁理士試験は合格して終わり、ではありません。合格してからがスタートなのです。
弁理士登録をし、研修を受け、やっと「駆け出し弁理士」になります。
会社や特許事務所によっては、「弁理士手当」が存在し、毎月の給与に数万円プラスされるところも多いでしょう。
しかし、弁理士資格をとっても給与にプラスどころか弁理士登録費用も会費の支払いも全て個人任せのところもあります。
(企業で知財部以外だったら仕方ありませんが・・・)
そんなとき、やっと気づきます。
「弁理士試験に受かったのに現実的な利益ってないの・・・?」と。
せっかく苦労して資格をとったのですから、金銭的・待遇的な見返りがほしいですよね。
でも、就職時には「弁理士手当有り」だったはずなのに、資格を採った頃には「それは昔の話。」と言われてしまうこともあるかもしれません。
また、年俸がアップしても、残業代込で、時給に換算すると高校生のバイト代程度だったり・・・。(しかも昼休憩が一時間のはずなのに実際は20分にも満たず、周りの人が仕事を始めるため自分もいたたまれなくなって仕事を始めてしまったり・・・)
これでは何のために必死になって資格をとったのかわかりません。
こんなとき、人は「転職」を意識してしまいます。
でも、待ってください。
簡単に「逃げ」出してしまってよいのでしょうか。
確かに弁理士試験に受かって興奮している自分に比べれば周りの熱は低いでしょう。
しかし、自分と同じくらい熱くなれという方が無理なのです。
少し落ち着いて、冷静になって考えてみましょう。
確かに給与的にはそれほど変わらないかもしれません。
また、待遇的にも変わらないかもしれません。
でも、同じ職場の人ではなく、他の人の評価が変わります。
たとえば、名刺には自信を持って「弁理士」と書くことができますし、たとえ年齢が若くても、年上の人から「先生」と呼ばれるようになります。
名誉やプライドを重んじる人にはたまらないでしょう。
・・・とはいっても、次第に先生と呼ばれることにも慣れてしまい、「尊敬よりも金をくれ」と思うようになるかもしれません。
そんなときは、周りの新人弁理士はどうなのか見てください。
周りといっても同じ職場の弁理士ではありません。違う職場の弁理士です。
出来たら、時間をとってじっくりと話し合ってみましょう。
そして、もし、自分の給与(福利厚生についても考慮して!)や待遇が他の弁理士と比べて見劣りするような場合は、やっと転職について考えても良いでしょう。
なお、基本的に企業の知財部の方が特許事務所よりは恵まれていることが多いといえます。福利厚生の充実具合が違いますし、大企業の看板はブランド力がありますから。
表面的な給与は低くても、特許事務所よりは残業時間が少なめで時間給でみると知財部の給与のほうが上かもしれません。
もちろん仕事内容は異なりますからその点もしっかり考えてください。(たとえば、将来的に独立して特許事務所を経営したいのなら、早いうちに特許事務所で働くべき)
現在特許事務所に勤務の人が大企業の知財部に行きたい場合にはなるべく若いうちに転職活動をしなくてはいけません。できるだけ早く転職活動をするべきです。
そして、自分一人の力だけで求人情報を探したり転職サイトを見ながらゆっくり決めていたのではあっという間に年を取ってしまうので、転職エージェントの力を借りて短期間で転職をしてしまったほうが良いでしょう。(あくまでも企業知財に行く場合のみです。特許事務所への転職に転職エージェントを利用するのはデメリットでしかありません)
転職サイトは玉石混交で危険な転職先が混じっている場合がよくあります。
弁理士が高年収厚待遇で転職する方法
一方、知財部から特許事務所、特許事務所から特許事務所への転職ならそれほど困りません。採用の壁がずっと低いからです。
なお、特許事務所へ転職する場合は大きな特許事務所に行くか小さな特許事務所に行くかで悩んでしまうことでしょう。
この場合は、自分の希望に沿う方を選ぶと良いでしょう。
いずれ独立したいという夢を持っているのなら小さな特許事務所のほうが良いでしょうし、教育制度の整っている事務所でガンガン鍛えられたいという人は大手特許事務所に行くのも良いでしょう。(小さな特許事務所の方が教育してくれることも多いです。場所によって異なります。特許事務所は特殊な業界なので、従業員数が多い=良い事務所とは限りません。詳しい見極め方についてはお問い合わせ下さい。)
どちらにいっても事前にしっかり調査しておけば、ハズレはないと思います。
数年経験を積んだらもう片方に行くことも出来るわけですから。
小さい特許事務所に行く場合は、所長と気が合うかどうかを一番気にしても良いのかな、と思います。
所長との人間関係が悪化するといたたまれなくなりますからね(^^;
待遇が良いなら多少年収が低くても良いでしょうし、自分の「譲れない部分」は何かということを考えて就職先を決めてください。
給与が良くてもノルマや残業が多すぎるところに行くのは精神を病むのでお勧めしません・・・。
一年目の年俸は低くても2年目以降は年俸がアップするのならやる気が出ますよね!