普通の企業なら社長や上司に憎まれて転職してしまうのも仕方がないでしょう。

しかし、知財業界は狭い世界です。上司や所長に嫌われたまま転職してしまうと、弁理士会の研修などで顔を合わせたときに気まずい思いをしますし、悪い噂を広められてしまう可能性もあります。

そこで、通常以上に気を使って円満退社を心がけるべきです。具体的には以下の6つの点に注意しましょう。

1.タイミングに気をつける
年度末など仕事が忙しいときや、顧客に契約を打ち切られてしまって事務所全体がピリピリしているときは退職を切り出すべきではありません。
数週間立って落ち着いてから切り出しましょう。

 

2.最初に退職を伝える人を間違えない
転職を決意したときは最初に同僚に話すことは辞めましょう。
まずは、直属の上司に伝えるべきです。
小さな特許事務所の場合は所長に直接述べても良いでしょう。
同僚に最初に話してしまうと、その同僚がうっかり他の人の前で話してしまい、噂になってしまう可能性があります。

 

3.引き継ぎをしっかりする
これをうやむやにしてしまうと会社や事務所に迷惑をかけてしまいます。立つ鳥後を濁さないようにしっかりと引き継ぎをしてから転職しましょう。

弁理士や特許技術者の場合は明細書を書いている途中なら、転職はそれが済んでからにしましょう。中間処理に関しては仕方がないので、後任の弁理士さんにお願いすることになります。(そして、狭い世界ですので、後にどこかで自分の名前だけをよく知っている後任の弁理士さんに会うことになったりします)。

 

4.言葉に気をつける

退職を伝えられると上司や所長はショックを受けることになります。部下が辞めてしまった場合自分の評価にも響きますし、所長も自分に落ち度があったのかと気にするでしょう。

したがって、「ここの雰囲気は自分に合わないのでやめます。」「給与の割に働きがいがないので辞めます」といった言葉は使わずに、「今までの仕事にもやりがいがあったのですが、スキルアップのためにもっと勉強をしたいと考えています。」

「新しいことに挑戦する時間が十分に取れないと感じたため、○○に力を入れている環境で働きたいと思います」
といったようにポジティブな言葉を使いましょう。

なお、この言葉はそのまま転職時の志望動機として使えます。

 

5.お礼を述べる

たとえ憎しみの気持ちがあっても、今までお世話になったことのお礼を述べましょう。
引き止められそうだと感じたら、引き止められないように、既に転職先が決まっていることを述べるべきです。
迷いを見せると引き止められてしまいます。

 

6.競合へ転職する場合は契約書の内容に気をつける

ライバル社の知財部や、他の特許事務所へ転職する場合、入社時に結んだ契約違反にならないように気をつけましょう。
特に、営業秘密を知っている場合はそれを転職後の会社において使用すると不正競争防止法違反になりますし(弁理士なら受験勉強時にココらへんはしっかり勉強しましたよね!)弁理士の場合は今までA社の案件を引き受けていたのに転職後別の特許事務所でB社の明細書を手がける際にA社の技術を織り込んで明細書を作成したりしないようにしてください・・・?!

 

というわけで円満退社のコツを6つほど挙げてみました。

 

このコツを掴んでどうぞ円満に退社してください。なお、退社(退所)前には既に転職先を見つけておくべきです。引き止めにあって心がぶれないようにするためです。

 

転職活動を行う場合には情報が少ない状態で自分だけで転職活動をすると失敗する確率が高くなります。

必要な情報は出来る限りこちらからお渡ししますのでお気軽にお問い合わせ下さい。