求人票を見るときには漠然と「希望勤務地」や「応募可能職種」などを見てしまいますが、求人にはかなり細かい「応募してほしい求人」情報が載っています。
そのような求人情報を見るときに気をつけてほしいことについてご説明いたします。
1.基本給の高さ
基本給は賞与や退職金の基準となり、後々影響してくるため出来るだけ高いところが理想です。
しかし、意外と見落としがちなのがこの基本給です。
たとえば、月給30万円の求人が2社あったとします。
A社は「月給30万円(+諸手当)」で、
B社は「月給30万円(諸手当込)」です。
見た目はどちらも月給30万円ですが、実際の給与には差がつく可能性があります。
たとえば、A社は毎月のお給料30万円にプラスして皆勤手当や住宅手当、残業代が付く可能性があります。すると、月給は30万円を超えます。
一方、B社の場合は、基本給が24万円で、残業手当40時間分込で月給30万円かもしれません。
ということは、A社とB社では、月給に大きな開きがあることになります。
求人票はすみずみまでよく読んで搾取されないようにしたいものです。
2.残業代
特許事務所では月給制ではなく年俸制をとっているところがあります。
その場合、残業代が支払われないのではないかと心配になるかもしれませんが、大丈夫です。法律では残業代は支払わなければいけないことになっているからです。
ただし、注意が必要な点もあります。
詳しくはこちらで説明しています。
年俸制だと残業代は支払われないの!?
なお、「賞与」については支払いは法律上の義務ではありませんので支払われないこともありますし、制度が変わることもあります。
3.産休・育休・介護休暇制度
「女性が働きやすい職場です」という風に書かれていたとしても注意が必要です。建前上は産休制度があっても機能していないこともあるからです。
その職場で実際に産休制度を取った人がいるのか等の情報を確認しましょう。
介護休暇なども採ることができると非常に働きやすい職場であるといえます。
4.有給休暇消化率
有給休暇は、雇用された日から6ヶ月が経過し、その期間中に8割以上出勤している社員に10日を付与することが法律で定められています。ホワイトな特許事務所が付与しているものではなく、法律で定められた従業者の権利なのです!
しかし、有給休暇制度はあるけれど、忙しくて取得することが出来なかったり、取りづらい雰囲気がある場合もあるでしょう。
ブラックかホワイトかを見極めるにはこの「有給休暇消化率」を見ると参考になると思います。
ホワイトな職場は「昨年度有給休暇取得実績100パーセント」というように消化率を公表するはずです。
5.福利厚生の充実
大企業に比べ、特許事務所の福利厚生は充実していないことが通常です。
しかし、弁理士会費や弁理士試験費用や受験休暇などの受験協力体制を敷いているところは多くあります。また、弁理士海外研修制度も珍しくはないでしょう。
弁理士を目指す特許技術者にとっては嬉しい制度ですね。
しかし、既に弁理士の人にはそのような制度は無くてもかまわないでしょう。それよりも残業代がきちんと支払われるかの方が大事ですよね。
以上求人票を見るときに気をつけたいことを挙げました。
特殊な業界ですので、企業の求人とは違うことにお気をつけください。
なお、「具体的にこの特許事務所ってどうなの!?」という疑問をお持ちの方は、お手数ですが、お問合わせよりご連絡ください。
その特許事務所にお勤めの方から聞いた情報をご提供できるかもしれません。