映画や小説、スポーツ、音楽など、エンターテインメントは誰もが好きです。
そのため、「好きなことを仕事にしたい」と考える人がたくさんいます。
しかし、それって、安易すぎないでしょうか・・・?
確かに、「好き」なことをしていると幸せです。
しかし、たとえばゲーム業界で仕事をするということは、ゲームを作る側にまわるということです。
ゲームで遊ぶ側ではありません。
たとえば、任天堂のようなゲーム会社の知財部で働こうと思ったら、発明者との摺り合わせがメインの仕事になります。
キラキラしたゲームの音楽やイラストとはあまり関係がない仕事です。
同じように、フード業界で働くということは、いろんな美味しいものを食べるということではありません。
お客様に食べ物を提供することが仕事です。
そう考えると、好きなことを仕事にするということは、必ずしも楽しいことではないということに気づけます。
どんなに車が好きでも、仕事についたからにはプロとしてサービスを提供しなくてはいけません。
自分が楽しめないと、好きだったはずのことが嫌いになる可能性もあります。
そんなわけで、企業の人事担当の人は、「好き」を理由に来る人を嫌う傾向にあります。
考えが浅いと感じるからです。
企業は、採用者にその業界の商品やサービスが好きなことはそれほど求めていないこともあります。嫌いでなければ十分と考える採用者も多いのです。
採用者は好きより上の情熱を求めているのです。
ということは、逆に言うと、働きたい業種の面接では、「好き」という表現を使わない方が効果的です。
たとえば、鉄道業界の友人に聞いた話ですが、その業界では「電車が好き」という人は採用しないそうです。
理由は、「部品を盗む」から。
なるほど、と唸ってしまいました(笑)
仕事をするということは、その道で生きるということです。
ということは、「好き」だけでは覚悟が足りません。
何かあったときに「やっぱり好きじゃなかった」と逃げたくなるからです。
一方、「好き」だからではなく「自分のスキルが活かせるから」という理由で転職先を決めるのはどうでしょうか。
これに関しては良いと思います。
というか、転職するならまずそれ、と思います。
しかし、自分のコミュケーションスキルを活用したい場合にはアピールに注意が必要です。
たとえば、「人と接する仕事がしたいから」という理由は好ましくないと思います。
なぜなら、人と接しない仕事なんて無いからです。
仕事というものは多かれ少なかれ必ず人と接します。
その接し方や量が違うだけです。
ですから、もしコミュニケーションスキルをアピールしたいのなら、それを事実を挙げてアピールすると良いでしょう。
「一人でコツコツと仕事をするのが苦手だから」というネガティブな理由は発言すべきではなく、「人からのフィードバックをリアルにもらえるとやる気が出る」というようにポジティブな言葉に変換してアピールしましょう。
知財部員の仕事にはコミュニケーションスキルが必要ですから、知財部へ転職希望者は、ぜひ、コミュニケーションスキルをアピールしていってください。
なお、知財部の仕事はかなり地味ですから、そこは覚悟の上で転職したほうがいいと思います。
特許事務所の仕事なんて、もっと地味です。
真面目でコツコツタイプでないとやっていけません(代わりに高収入なのでその点お勧めです)。
「好き」に飛びつくこと無く、プロフェッショナルとして覚悟を決めて転職を行ってください。
企業知財部や特許事務所へ転職される場合には、弁理士である我々が情報をお渡ししますので、お問い合わせください。
あなたの経歴や性格から、知財業界へのマッチ度などもお伝えできます。