社名や特許(法律)事務所名を非公開で求人募集をしている企業や特許(法律)事務所をよく見かけます。
社名や事務所名は公開するのが普通なので、非公開ということは何か後ろめたいことがあるのだろうと思ってしまうでしょう。

正にその通りで、非公開求人は余程の場合を除いて危険な体質の企業・事務所であることが大半なので、最初から応募しないほうが良いです。
特に、知財部や特許事務所、法律事務所では非公開求人への応募なんてありえません。

ここでいう「余程の理由」とは以下のような場合です。

1.特別なプロジェクトを計画しており、他社に知られるわけにはいかない。
2.募集要項を内緒にしたい

1は一部の専門職では募集があるでしょうが、弁理士等知財関係で特別な非公開プロジェクトというのは考えられません。
秘密にしようにも知財情報の多くは特許庁や外国のデータベースで公開されてしまうため隠すことが出来ないからです(秘密意匠を除く)。このことを別の面から考えると、各社の特許戦略は公開情報から読み解けます。わざわざ企業の知財担当者に賄賂を渡さずともどのような方針をとっているかは出願の仕方や明細書を見れば、隠していても自ずとわかってしまうのです。(公開情報を逆手にとって戦略を練るという高度なテクニックもあります)

 

2は余程低年収や低待遇の場合です。
そりゃあ知られたくないでしょう。

 

したがって、知財関係では1がまずありえないので、非公開にしている理由は2の「募集要項を内緒にしたい」くらいしかありえません。

 

あとは、SNSなどで採用アカウントが社名や事務所名を非公開にしている理由は、「炎上したときに会社や事務所が責任をとりたくないから」です。ようするに、非公式アカウントであり、会社や事務所の名前を背負って採用担当をするほど信用されていない人物が勝手にやっているか、不誠実な上司から命じられてやらされているかのどちらかです。

「採用に関係ないことも自由に投稿するため」というのは非公開にする理由とはなりません。なぜなら多くの採用や広報担当者が採用に無関係な投稿(ドラクエ等好きなゲームのことやスポーツ観戦、趣味の話など)を頻繁にしていますし、むしろそれを売りにしています。(タニタやシャープなど)

 

会社名・事務所名を非公開にしている場合、そのアカウント運営者が炎上騒ぎを起こしたとしてもアカウントを消して逃げれば良いだけなので、会社や事務所はノーダメージです。

 

非常にズルい考え方です。

 

このように無責任な体質の会社や事務所ではその他の面でも無責任なことは容易に想像できます。

試用期間経過後の解雇や残業代未払いがあってもおかしくありません。言葉による人格否定もあるかもしれません。

 

したがって、ブラック企業に入って人生の貴重な時間を無駄にしないためにも「会社名・(特許)事務所名非公開求人」には、絶対に応募しないことが大切です。

 

なお、会社名や事務所名を公開して求人募集をしているアカウントについては、その投稿を遡ってできるだけたくさん見て下さい。単なるニュースに関する投稿よりも、人間性が現れる投稿が好ましいです。

そのような本音が現れる投稿を見て親近感を覚えたら応募してみるのも良いのではないでしょうか。

 

なお、違和感を覚えた場合には応募を控えてください。そのような直感は当たっていることが多いと言えますから。