資格試験取得のための勉強は辛いものであり、誰もが短期間で成果を出したい、受かりたいと考えます。
国家資格の中でも難関の弁理士試験は必要勉強量が多いことから、誰もが短期間で受かりたいと思うことでしょう。

しかし、必ずしも短期間で受かる必要はありません。

 

というよりも、むしろ、最初から「3〜4年で合格する」という目標を立ててゆっくり(しかし一生懸命)勉強したほうが良いといえます。

 

もちろん全ての人に当てはまるわけではありません。

 

時間に余裕のある学生なら一日中勉強して学生のうちに弁理士資格を取ってしまったほうが社会人になってから楽ですし、結婚するよりも未婚のうちに資格を取ってしまったほうが良いでしょう。

 

しかし、結婚して小さな子供がいる人が育児と仕事をしながら資格取得のために勉強するというのは並大抵のことではありません。

 

平日は毎日1時間ずつ、土日は2日間で8時間といったところが可能な勉強量でしょう。

 

それでは、弁理士資格を取れるまでに3年以上かかってしまいます。

 

しかし、資格を取得するのに4年以上かかろうが、1年で受かろうが、どちらも弁理士で同じです。後者は「短期間で受かった!」と自慢できるだけで、お金を稼げるようになるかとは別次元の話です。

 

資格取得に5年以上かかっている人でも優秀な人はたくさんいます。

むしろ、それくらいみっちりと勉強している人の方が漏れの少ない確実な知識を有しています。

10年以上勉強をし続けている場合は偏屈になり人間関係に支障をきたす恐れがあるのですが、5年程度なら普通でしょう。

 

仕事をこなしながらじっくり時間をかけて勉強をして資格を取得したということは短期間で合格できなかったと恥ずべきことではなく、誇るべきことです。

 

人はそれぞれ違う環境におかれ、自由に使える時間も異なります。

 

誰もが自由に生きることを許されているのが日本国憲法下に生きる私達の権利です。

 

しかし、資格取得という目標を掲げると、「資格を得ることが人生の全て」と勘違いしてしまうことがよくあります。

他人から見ればどうでも良く馬鹿馬鹿しいことなのですが、本当にこういうことはよくあります。

「弁理士試験に合格すること」をゴールと考えているとそうなってしまいます。
弁理士試験に合格することは、スタートなのに。
TOEICの点数があと○○点あれば・・・。

 

あと少しで短答試験に受かったのに・・・。

 

俺のほうがいい大学を出ているのに馬鹿なあいつが俺より先に弁理士試験に受かるなんて・・・。

 

 

全て他人から見ればどうでも良いことです。
芸能人の不倫騒動並にどうでも良いことです。

 

資格取得のための勉強など、長い人生から見たらほんの少しの期間です。

 

たまたまその期間と子育ての期間が重なったら忙しさは倍増しますが、人生の充実度も倍増します。

そして、合格後には喜びは数倍です。

 

ぜひ「絶対に短期合格!」を目標に掲げるのではなく、

「確実な知識を身につけて、社会人としてしっかり生きる」ことを目標にしてください。

なお、私は東京と大阪で弁理士試験対策のゼミを開いているのですが、ゼミの講師をお願いしているのは受験年数が5年以上の人限定です。
それくらい深い知識が無いと細かな質問に答えられないからです。
ついでに言うと、少人数ゼミで皆をまとめあげる人間力や生徒の気持ちになって考えられる思いやりの心も必要なので、私の求める講師のレベルは高すぎてなかなか見つかりません(^^;
今講師をしてくださっている先生は最高なのでこのレベルの先生を見つけるのは至難の業だなと思っています。