求人広告を見ていると、「未経験歓迎」と記載されている場合があります。
未経験でも大丈夫なんだ、よかった!
そう思ってその求人に飛びつく前にちょっと考えてほしいことがあります。
それは、
「企業や特許事務所は通常は経験者を求めている」
ということです。
ですから、
自分は未経験だけど「未経験歓迎」の求人なら、面接のときには優しくしてくれるだろう
なんて甘い考えでいるのは止めた方がいいでしょう。
「未経験者歓迎」とは、「未経験の人を経験者より優遇する」ということではありません。
未経験者と経験者がいたら、当然経験者のほうが即戦力になれる分、有利です。
「未経験者歓迎」の求人では、経験者の応募がなかった場合に、未経験者も採用される可能性があるだけです。
「3年以上の実務経験者のみ」というように応募者を限定してしまうと、会社や事務所は応募してくれる人材の母数を制限してしまうことになります。
それでは、未経験でも将来性のある人材に出会える機会をのがしてしまうことになります。
そのため、求人段階では、企業や事務所は「未経験OK」との記載をしていることがあるだけです。
したがって、未経験の人は経験者には勝てない分、履歴書や面接でしっかり将来性をアピールしなくてはいけません。
この場合においてどのようなアピールをするとよいかというと、企業の求める人物像と合致するようなエピソードを語ると良いでしょう。
たとえば、企業の求める人物像が「自分で考えて行動出来る人」だった場合には、アピールに使えそうなエピソードを自分の社会人人生の中から思い出します。
といっても、新卒ではないのですから、あまりにも幼稚なエピソードを語らないように注意してください。
資格で熱意をアピール
資格を取得したり資格取得のために頑張っているということもアピールポイントになります。
たとえば、知財部に入るために知財管理技能検定を受けた、弁理士試験の勉強をしているということをアピールすると良いでしょう。
知財部で働けるだけの高いレベルの知財に関する法律知識を持っているということを実力以上にアピールする必要はありません。
実は知財部では知財管理技能士資格や弁理士資格を持っているということはそれほどアピールポイントにならないことがあるのです。
将来性
ところで、会社や事務所によっては、下手に他の会社や事務所で経験を積んでいる人よりも、自分のところで一から覚えてほしいと考えて「未経験可」としていることもあります。
「将来性」のある人は、年齢的に若い人の方が多いので、必然的にこのような「未経験可」の求人では若い人の方が有利になります。
では、年齢的に若くない人の場合は未経験者として雇ってもらえないのでしょうか。
そんなことはありません。
事務所ではなかなかないでしょうが、企業の場合は、自社にはいないタイプの人を中途採用して、自社の人では思いつかないアイデアや意見をほしいと考えているところもあります。
そのような企業では、他の業種等で経験を積んでいる人を積極的に採用します。
特に製品開発部のようなところでは、異業種の知識が役に立つことがよくあります。
そこで、業界未経験だからこそ持つ柔軟な思考をアピールしましょう。未経験であることを恥じず、これから学習していくという意欲を見せます。好奇心やチャレンジ精神も評価されるでしょう。
面白いやつだな。と思ってもらえれば面接は成功したと言っても良いでしょう。
なお、知財部では、研究職経験者の元発明者なども積極的に採用されます。
最後に
基本的に、若くない限り未経験者は転職時に不利です。
しかし、企業で様々な経験を積んでいた場合、転職先企業で「この人を雇うと会社に利益をもたらしてくれる」と思ってもらえることがあります。
したがって、面接のときには自分の社会人経験の中からアピールになりそうなことを積極的に開示していってください。
アピールの仕方としては既述したことの他にも、たとえば転職したい会社がメーカーだった場合にはその会社の製品を実際に使ってみて気付いたことを述べたり、サービス業だった場合にはそのサービスを実際に利用してみて気付いたことなどを話してみるのも良いでしょう。必ずしも大金をかける必要はありません。
店舗などを訪れて観察するだけでもよいでしょう。
なお、「自分ならではの効果的なアピール」をしたほうが面接に成功する確率はずっとあがることから、しっかりとエピソードを考えてください。
物語を上手く組み立てられないときには、ご相談ください。