知財業界は専門分野であるため(そして、特許事務所では人間関係が悪いところが多いため)転職がわりと頻繁に行われます。
知財部員や特許事務所勤務者は普通の会社員とは違い、特殊なスキルを有しているので、年をとっても転職し易いからです。
といっても、その職種の業務経験は必要です。
今まで商標しか担当してこなかった弁理士が特許明細書を書きたいと言っても未経験者としての扱いになってしまいますし、その逆もまたしかりです。
転職をするときは、たとえば、商標担当者として転職したいときは、商標担当者の案件だけに目を光らせておけば良いでしょう。
しかし、一般的には特許の権利化業務に関する求人の方が多いと思います。
企業だったらメーカー(製造業)であることが大半です。
そして、特許の権利化、すなわち明細書を書く仕事を担当する場合、その技術分野に精通しているかも重要です。
中途で採用する場合、即戦力が欲しいためです。
転職に有利な特許の技術分野
特許技術者や弁理士等として企業知財部や特許事務所へ転職する場合、一定の技術分野に精通していると転職に有利になります。潰しが効くからです。
転職時に有利な技術分野は、IT・電気・機械・化学などです。
もちろんこれ以外の技術分野でも転職先はあります。
出来ることなら、その技術分野で明細書を書いたことがあるのがベストですが、明細書を書いたことが無くても、大学でその技術分野を専攻していた場合は知識は十分にあるものと思ってもらえるでしょう。
その技術分野で開発経験を持っている場合も同じように有利でしょう。
では、未経験の場合はどうでしょうか。
ここから、未経験者の転職について実際の例に基づいて説明してみたいと思います。
知財未経験者の転職
まず、知財分野の経験が全くない場合でも、若ければ知財部や特許事務所に転職出来ます。
しかし、ある程度の年齢に達すると未経験者の求人はなくなります。
ある程度の年齢とは、35歳前後です。
この年齢になると、たとえ弁理士資格を持っていても転職は不可能になります。
(弁理士資格無しだと35歳が限度ですが弁理士資格があっても文系で33歳だと相当キツイと思います。ただし、頑張れば転職に成功出来ます。ずっと上の年齢で特許技術者として転職成功した人はいます。技術理解力が高かったためです)
知人で、文系で未経験者の35歳(転職活動時には無職)で知財へ転職できた人がいますが、その人は強力なコネを持っていました。
彼は何十通履歴書を送っても全く書類選考に通過しませんでした。
結局、最終的にはコネという必殺技を使って就職しました。
彼のようにコネを持っていないと未経験で転職を成功させるのは難しいでしょう。
(なお、父親が就職したい企業の人事部長というようにコネを持っている場合には就職や転職へのきっかけとしてコネを利用しても良いと思います。私の知人の場合は元々ポテンシャルは高かったので雇った人は”良い買い物”をしたと思います)
ただし、たとえば研究者や法務部員として働いている人ならば35歳以上でも知財部へ転職できる可能性が十分にあります。
なお、30歳を過ぎたら、絶対に仕事をしながら転職活動をすべきです。
弁理士試験に専念するために退職するのなら、上述した技術分野のいずれかに精通していることが必須です。
さもなければ弁理士試験に受かったものの就職先が無いということになってしまいます。
違う技術分野への転職に成功した例
機械・電気・ソフトウェア・化学の分野に詳しければ転職に成功し易いと書きました。
では、ソフトウェアには詳しいけれど電気にはそれほど詳しくない場合に電気分野での求人に応募するのはどうでしょうか。
知人で、20代のときに2回、30代で1回転職した30代の人がいます。
彼は20代はソフトウェア一筋でした。
しかし、30代になって電気の技術分野の求人に応募しました。
結果は合格でした。
彼は3回とも転職に成功しています。書類選考に追加した会社で面接に失敗したことはありません。
1回目の転職ならともかく3回目の転職、しかも未経験分野への転職に成功できたのはなぜでしょうか。
理由としては、彼の自分の売り込みの上手さもあるでしょうが、「やる気と可能性」を感じさせることが出来たからではないかと思います。
彼は普段から自信満々の話し方をする人ですが、自分に出来ないことはできない、上には上がいるということも理解している人です。
しかし、面接のときには、ソフトウェアだけでなく、電気のことも学びたいと熱弁をふるいました。
その熱意が通じたのでしょうか。
無事に転職に成功しました。
他にも30代で未経験の技術分野への転職に成功した人たちもいます(追記:その後複数人転職に成功しました!)。
「熱意が伝われば転職に成功し易い」のではないかと考えられます。
面接で熱意を伝えずに「なんとなく」といった感じで面接を受けた人は見事に落ちていますし・・・。
転職に成功する方法
転職、特に面接に成功するためには熱意を伝えることが重要です。
熱意があれば年齢や技術分野的に不利と思われる人でも転職に成功出来るからです。
と言っても、熱意だけで転職に成功できるわけがないのも真実です。
書類選考を通過しなくては熱弁をふるおうにもふるえないからです。
では、まず書類選考に通過するにはどうしたら良いでしょうか。
それには魅力的な職務経歴書を書くという方法があります。
といっても普通の人が魅力的な職務経歴書を書くことは出来ません。だって、教育を受けていませんし何百回も転職する人なんていませんから。
そこで、我々の出番です。
我々は弁理士ですが長い間職務経歴書の添削を行ってきました。
知財部や特許事務所へ転職する際に効果的な職務経歴書を書くことが出来ます。
転職成功率をアップさせたい方はお問い合わせください。