知的財産部へ異動する人や、転職先候補として企業の知的財産部や特許事務所を検討している人は、これらの職場は激務なのかどうか気になっている場合も多いと思います。
そこで、残業量などについてお話しようと思います。
知的財産部と特許事務所は激務か
基本的に、特許事務所で弁理士や特許技術者として働く場合はどこも激務であることが多いといえます。
一方、同じ特許事務所でも特許事務員は繁忙期以外は定時退所であることが多いといえます。(規模が大きくなるほど残業時間は長くなることが多いといえます。また、人材不足の事務所は規模が小さくても残業時間が長いです。残業時間込みで年収500万円の場合、実際は定時退所で年収400万円もらっている人よりも時間単価が低くなることが多めです)
特許翻訳者やサーチャー(特許調査員)は事務所によりますが、特許事務所によってはかなりの時間を在宅ワークでOKとしているところもあります。
アフターコロナでは弁理士でも在宅ワークOKのところが増えてきました。
知財部に関しては場所によって全く異なります。
忙しいところはめちゃくちゃ忙しく、残業が労働基準法違反すれすれ・・・というか過労死ラインになってしまうようなところもあります。
しかし、定時で帰れるところもあります。
私の友人たち(既に学生のうちに弁理士資格をとっていた)は、大企業の知財部に新卒で入りましたが、最初のうちは基本的に定時退社でした。
しかし、入社してから5,6年を過ぎる頃には出来る仕事も増えてきたことから残業が増えてきました。
したがって、未経験だったり経験が浅いうちはそれほど仕事量はありませんが、経験を積んである程度の仕事を任せられるようになってくると、残業も増えてきます。
また、知財のスペシャリストとしてスキルを積んでくる時期というのは、年齢的にも昇進する頃です。
したがって、知財のスペシャリストとして自分のスキルをあげることを重視するのか、企業の中で昇進するために他の努力をするのか悩むことになります。
ここで、企業の中で昇進することを選んだ人は、プレイングマネジャー(自分の仕事もしながら、管理者としての仕事もする)のようになることも多いでしょう。
すると、仕事は激務になりがちです。
一方、知財の仕事に面白みを見出した人は昇進よりも自分のスキルを磨きたいと思うようになります。
すると、ある程度の年齢に達しても役職を持たないために自分の居場所が無いと感じる人もいます。
そのような人は、知財部で培ったスキルのうち明細書作成スキルを活かして、特許事務所へ転職することもあります。
基本的に特許事務所は高給なのでひたすら明細書を書いていたいという人には良い場所です。
ただし、既に述べたように特許事務所は激務です。確かに高い年収が約束されていますが、自分の時間が欲しい人には辛いでしょう。
まとめ
特許事務所:弁理士と特許技術者は激務。年収は経験年数(実力)に比例する。
特許翻訳者とサーチャーは場所と本人の希望による。
特許事務員も忙しいところが多い。
知的財産部:経験の浅いうちは定時退社。経験を積んでくると仕事が忙しくなってくる。また、年収もあがってくる。
特許事務所で働くにせよ知的財産部で働くにせよ、場所と仕事によって忙しさは千差万別です。
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